帰国して間もない秋、平日電車に乗っていたら、ベビーカーを引いたお母さん二人組(たぶん私より少し若い)がお話をしていた。完全に同意できる内容だった。それは「もう、ワンワンがいないと生きていけない~」「うん、ほんと、ほんとー」。話に加わりたいくらい同意できた。後述する。
育児ネタの書き込みが少ない。旅行ネタも表題ばかりは「0歳児の」とか記載しているが、後半のブログの中身に娘はあまり出てこない。それもそのはずで、一般男性よりは育児をしていると思うが、MBAと就活で忙しくなることもある。旅行の話も、これまで記載したようにヨーロッパのレストランには基本ベビーチェアがあるし、ホテルはどこもベビーベットを用意してくれる。レストランもホテルも飛行機も現地では大変な事もあるが、それは毎回同じなので繰り返し記載することもない。・・・ということで、内容が減ってしまったのだが、たまには育児にフォーカスして記載したい。
最も育児をしていた時期は、間違いなく、帰国から業務開始までの1.5か月間、特に後半の1ヶ月間だ。帰国ネタに記載の通り9月中旬に帰国した。そして11月1日から業務を開始した。この間最初の1ヶ月間は実家に住み、家を探して、後半半月は今の家で過ごした。9月中は就活もあったので、実際の育児は10月いっぱい。ここで育児にフォーカスした理由は、やっと帰国して、これまで大変だった妻に少しリラックスして欲しかったのと、新居の荷物整理のためだ。いい育児経験だったと思う。
まず印象的だったのが、児童館の大切さが分かった事。児童館というと小学生の時に少し行った記憶しかなく、世の中にとって意味のあるものかどうか分からなかった。しかし、正直、児童館と「ワンワン」がいなかったら生きていけない。。なぜなら、家に幼児といても基本的にすぐにグズる(つまり飽きる)。狭いし、いくらおもちゃがあってもたかが知れてる。大人と一緒で刺激を求めている。その点、児童館に行くと、広いスペースで遊べるし、おもちゃもいっぱいあるし、同年代の子もいて、よい刺激を受ける。杉並区(だけではないが)には子育てプラザというものがあり、乳幼児が主対象だ。主対象なだけで、幼稚園児~小学生も遊べる(逆に児童館でも乳幼児室はある)。1日を午前と午後にわけて、どちらかは児童館へ、どちらかは子育てプラザへ行っている。乳幼児がいると、やはり子育てプラザの方が楽しめる。新しいし。Partyをしたりする集まる場所としても使えるようで妻も妊娠中に知り合ったママさん達とお昼子連れPartyをしていた。イベント(歌イベントとか弦楽器演奏会とか)も定期的に実施していて、非常に助かる(区の施設なので基本タダ)。

最初は抵抗感が少しあった。やはりヨーロッパと比べて男性の育児に対する認識はまだまだ甘い(と思っている)。Cambridgeでは土日も平日も変わらず、図書館や公園に子供と男性が一緒にいるのをよく見かけた。その点、平日に子育てプラザ(児童館)に行くのは少し勇気が必要だった。「あの男の人なんなのかしら?」とか思われたり・・・いや、実はそんな思っているほど他人が自分の事を気にしていたりはしないのだけれど。実際、一回行ったら何のことはない、保育士さんも優しいし、お母さん達も子供達もそれぞれ遊んでいて、特にお母さん派閥があるような感じもない。土日はお父さんもたくさんいる。平日は大人の男性は私一人の事が多くて、男子校⇒大学機械工学科だった私にとっては初めての女性がたくさんいる環境であった。これは初めてのハーレム状態!!ウキウキして児童館通いをしたものだ。
とは言え、10月末までの期限付き平日児童館なので、特にママ友?パパ友?が出来たりはしなかったけれど。そういう意味では、お母さん達もみんな友達同士というわけではなく、子供と二人で遊んでいる方がほとんど。乳幼児を抱えているとコミュニティーを作ったり参加するのが幼稚園や小学校より難しく、育児は孤独、と言われるのだろうか?そういう意味ではCambridgeでは本当に妻にお世話になった。だからこそ、少子化対策もあり、行政も色々力を入れているのだろう。一人の時は分からない。とは言え、妻は平日児童館に行くと「よく会うお母さん(達)」の話をする。やはり私が一か月通ったくらいでは分からないコミュニティーもあるのであろう。

ちなみに今週ちょうど新型コロナウィルスのせいで、公立学校系の休校が始まっている。児童館は通常運営のようだ。実際、共働きの方々で、特に小学校低学年生がいらっしゃる場合は学校も休みで児童館も休みだときついと思う。一方で、小学生は児童館に行くのも自粛で、基本自宅待機のようだ。よって、児童館も特に混んでいるわけではない。あとは紙オムツの買い占めが始まって、もしなくなったら恐怖。。。ちなみにうちは、トイレットペーパーもティッシュも買いに行っていない。少し抑えめに使っている程度。
前述のように1日を午前と午後に分けて、ということは、つまり、育児に自由時間はほぼ皆無ということだ。仕事中なら、移動時間や合間の時間、お昼時間は自分の時間にできると思う。しかし、育児では幼児から目を離すことはできないし、逆に離れるとすぐ泣く。よって、彼女彼らが寝ている時しか時間がない。そしてその時間内に掃除洗濯料理をしなければならないのだ(この期間は私はしてなくて、妻がしていた、もしくは現状しているが)。その時間も予定通り行かないことが多い。外の車の音や、宅配便の呼び鈴、つい大きな音を出してしまったり、等々ですぐ起きる。なんとも育児がブラック企業と言われる所以ですな。
さて、そんなブラック企業の救世主が「いないいないばあっ!」のワンワンだ。これはお母さんと一緒の幼児用の番組でEテレで毎日放送している。我々が幼児の時にはなかったと思うが、すでに長年続いているようだ。(ちなみに妹の旦那が私の10歳下なのだが、ワンワンを子供の時に見たと言っていた。衝撃。)実はCambridgeにいる時も動画で見ていて、すでに大分お世話になっていた。ワンワンを見ている間は子供が静かなので、家事ができる(by 妻)。一方でTV中毒は今も昔も親の悩み。TVばかり見せていたら発育も悪くなるし、子供と親のコミュニケーションの頻度も下がる。見せすぎは良くないのが難しいところ。いや~でも本当にワンワンいなかったら生きていけないです。。。

幼児育児の大変さが分かってよかったと思う。時短勤務のお母さんたちが「仕事の方が楽」というのもよくわかる。もちろん今も妻には迷惑をかけているが、土日はほぼほぼ私が育児をしている(・・・と思っているが。。)。
幼児虐待の悲しい事件は度々発生しているが、本当に悲しい思いになる。子供は当然可哀そう、可哀そう過ぎるが、この事件は若いカップルに多いと思う。私はいくらか歳を重ねてから子供を授かったので我慢できる部分もあるが、若いうちに子供が出来たらもっと大変だろうと思う。日本は性教育の指導が甘いという指摘がある。育児に対する国としてのMaturityもこれまで記載してきたように比較的低いと思う。一方で、以前記載したが、育児のポリシーは欧米はどちらかというと「ほっぽり系(泣かせっぱなしとか)」、日本は「常に100%子供の世話」だ。どちらが良いとは言えない。それによって、ヨーロッパ系の大人になり、日本人の大人になるのだろう。私は日本のやり方の方が好きだが、こっちの方が大変だと思う。そこにも男女の育児と仕事に対する平等化の難しさがあるのかもしれない。