1歳児の8泊9日クルーズ旅行;アドリア海クルーズ

地中海の女王をご存じだろうか?言わずと知れた(?)ヴェネチア共和国の事である。なんとも男のロマンが詰まった国だと思う。大航海時代に、海賊、クルセイダー(十字軍)、ドーシェ(元首)、サン・マルコ、多様な物産と人が集まる交易国家等々。そんなロマンを感じたければ是非、塩野七生の「海の都の物語ーヴェネチア共和国の千年」をご一読いただきたい。この本を読んでから、常々訪れたいと思っていたヴェネチア、唯一感じる事が出来たのは初バイトの時にOpen前から行っている、ディズニー・シーだ。テーマパークであれほど素晴らしいのだから、本物はすごいだろうと期待していた。案の定素晴らしかった!!(イギリスと違い)ご飯もおいしいし、細い道と水路、イケてる橋、急に現れる広場、周りに見える小島々。空から見るとまさに海の中の都市。昔の人はこの国(都市)をどのような思いで見ていたのだろう。ロマンですな。

「ヴェネチア共和国」の画像検索結果
かつて、地中海の最強国家と言われていた
飛行機からのヴェネチアの写真、天気悪いが、これを見たときは感動した。ちょうど上の絵の左の方からこの写真に写っている道路が伸びてる

そんなかつての大交易国家からのクルーズ旅行がケンブリッジMBA最後のイベントだった。

クルーズ旅行と言うと、大豪華客船でセレブリティが夜な夜なパーティとカジノに明け暮れる超上流階級の旅行だと、日本だと思われがちであるが、そんなことはない。そこはさすがヨーロッパ、様々なランクのクルーズ旅行がある。私たちが利用したのは主に、ファミリー層向けと言われている、MSCクルーズとコスタだ。コスタはハネームーン時に利用し、MSCは今回利用した。基本的な船の構造は一緒。レストランがあり、プールがあり、バー、ショップ、カジノ、ミュージカルホールがある。値段もほぼ同じだ。違いは、コスタの方が少し豪華な船内で、MSCの方が料理がおいしい。コスタには複数のレストラン(追加料金要)があるが、MSCはメインのレストランのみだ。しかし、コスタは毎日の食事が楽しみではなかったが、MSCはそれなりにおいしく、楽しみにレストランに行けた。子供向けの料理もあり、味見したが結構おいしかった。娘は買ってきた離乳食と柔らかいパンしか食べなかったけど。そろそろ食の好き嫌いが出てきて、困る時期で離乳食を拒否したりする。それでもパンはずっと食べ続けるので、とりあえずパンを常備していれば安心ではある。あと、なぜかブロッコリーが好きで、レストランでも出てくるのでそれを食べさせた。妻曰く、何かのサイト情報で、「ブロッコリーを食べていればとりあえず大丈夫」と記載があったようで、まぁならいいか、と。。

”Why?”をクルーズのレストランで優雅に(?)している食事中の娘、髪がないけど、女の子です。半年たった現在も髪増えたのに、男の子に間違われます。
こちらは2014年に乗ったコスタの船の写真、こう見ると大きい。

MSCはサービスがひどかった。部屋についたらカードキーが利かず、ポーターやサービスデスクに何回もお願いしに行って2日目にようやくカードキーを取り換えてくれた(その間、鍵自体が壊れているから直す等々でカードキーを交換してくれなかった)。また、船内ところどころエレベーターのボタンがはがれていたり、残念なところがある。そういうのを気にする場合はコスタの方がよいだろう。豪華感はコスタの方が高い。部屋は少し高くても窓側をお勧めする。船内の窓がない部屋だと圧迫感がすごいと想像される。今回はダブルベットに親子3人で川の字で寝た。

コスタで寄港した港町(ちょっと当時と違うが)、ラ・スペツィアからはフィレンツェに行ける。記載がないが、ベネツィアを含む4大海洋都市国家のジェノバにも寄港して、そこが妻と私の一番のお気に入りだった。

ハネムーンの時はドバイ経由の飛行機でバルセロナ発クルーズだった。12月31日に日本帰国着の予定だったのだが、なんと帰国時のドバイのトランジットが飛行機遅れのせいで失敗して、エミレーツ航空の人に「Please come 24 hours later」と言われ、24 hours!!!?と思った。が、せっかくなので、ホテルを取りドバイ観光をした。保険で、ホテル代等々も落ちた。しかし、年末年始ということで、ドバイは激混みで交通機関もあまり発達していなく(高いビルはいっぱいあるが、当時はそれに公共交通が追い付いていないイメージだった)飛行機に遅れるのでは?という心配性私のせいもあり、人生で初めて妻と喧嘩した。ハネムーンあるあるだが、これが今のところ唯一の喧嘩(なぜなら家庭では私が下だから。。)。

さてMSNの旅程は以下の通り。全て記載すると長くなるので今回はかいつまんで記載したい。

今回の旅程はアルバニアの代わりにサントリーニ島の上のミコノス島寄港

まずヴェネチアだが、ホテルが高い。今回もBooking.comで探した。Hotel universo e nordだ。これまでの平均を考えても少し高めの値段で泊ったのだが、建物は継ぎ足し感満載の迷路のような廊下で部屋も狭くて小汚い。しかし、ヴェネチア唯一の鉄道駅からは近く、幼児がいるとそういう部分はケチれないので仕方がない。到着日はMBA同級生のFrancesco(イタリア人、ヴェネチアの北、オーストリア近くが実家)に教えてもらったOsteria Bea Vitaへ。この界隈はあまり観光客も来ないエリアのようだが、水路わきにレストランが並んでおり、どれもいい雰囲気でおいしそう。そして、ちゃんとベビーチェアがある。本当、ヨーロッパにはどこにでもありますな、ベビーチェア。次の日は午後にクルーズ搭乗なので、サンマルコ広場等々の観光地を回った。とにかく人が多かった、スリに常に注意しながら街並みに感動してクルーズへ。微妙に港に行きにくく、タクシーを使ったのだが、実はモノレールがあることを後で知った。

左から二番目の日本ハチマキをしているのがFrancesco。MBA内で企画した酒Partyの一幕。
真ん中のハートマークがホテルの場所でその左となりが唯一の電車駅。右上の緑マークが夕食場所。左下がクルーズ船の寄港地だ。実は真ん中下の緑マークが複数あるところからモノレールが出ているのだが、後で知った。

ヴェネチア出港はロマン溢れる。ヴェネチアの大動脈と言われるカナル・グランデはさすがに通れないが、左手にヴェネチア本島、右手に群島を見ながらの出港だ。次の寄港地はクロアチアのSplit。初のクロアチア入国だ。GCPでクロアチアに行った日本人から、ここも料理がおいしいと聞いていた。ただ、Splitやドブロブニクはもはや観光地のクルーズ客狙いなので、基本高い。が、Splitでは頑張って歩いて探して少し離れたところのレストランŠperun trgで食事。値段もそこそこでおいしかった。

ヴェネチア出港時、娘は爆睡。

次の寄港地は今回のハイライトでもある、青と白の建物が有名なサントリーニ島だ!ここに行くまでは距離があるので、船内で過ごす日が1日ある。この間は、プールに行ったり、ベビースペースに行ったり、昼からビールを飲んで、ソーセージを食べたりしている。ちなみに、船内フードは基本料金に含まれていて、飲み物は個別に頼むか、飲み放題プランにするかだ。ハネムーン時は飲み放題プランにしたが、今回は娘がいて、妻も授乳中だし、それほど飲むタイミングもないだろうということで個別にした。それでも、寄港地では毎昼ビールを飲ませていただきましたが。

今回の船内写真がなかった。これは2014年のコスタの船内写真。クリスマスの日の一幕だ。

さて、サントリニー島。クルーズ旅行の利点はなんといっても、寝ている間に移動してくれ、大きな荷物を持ち歩かなくてよいことだ。一方で、欠点は船の出港時間は決まっているので、あまり観光の時間がないということだ。寄港地毎にExcursionと呼ばれるオプショナルツアーが用意されている。クルーズからサントリーニ島の港へは小舟のピストン輸送ということで、並ばないといけないのだが、ツアー(Excursion)だと優先的に小舟に乗ることができる。よって、よい旅程があればそれを申し込んだのだが、サントリニー島では今回行きたいメインのOia(イア)のみのExcursionがなく、個人で行くことにした。その場合、小舟の整理券を取るために事前に並んだ。無事、一番早い船の整理券を得ることができた。小舟の寄港地からはケーブルカーで頂上の町Pyrgosへ行き、そこからバスでOiaだ。

右下が船がとまる町、そこからバスで40分ほどで左上のOiaが白と青の家々で有名な場所だ

Oiaは期待通り美しい町だった。一通り回って、レストランへ行った。ツアーだとレストランに寄る時間があるものがなく、是非この美しい街並みと海岸を背景にお昼を食べたかったので、これがハイライトのハイライトだ。この時もいくつかレストランを回り決めた。ギリギリ最後の一つに残っていた窓辺の席に座れ、本当に優雅で最高のひと時を過ごし、気持ちも高揚した!!しかし、この後まさか、あんなことが。。。

いい場所だったが、GoogleMap上だとどれか分からなかった。行けば分かると思うけど。。
景色と相まって、絶品

油断した。。ビールも飲んで大分気分が良い中、財布を適当にバックに入れてしまったのだ。。帰りのケーブルカーに乗るときにお金を払うために財布を探したところ、なくなっていた。スラれたのか落としたのか定かではないが、これまでMBA期間中何回もスリが多いところに行ったが、何も問題がなかった。それが、最後の最後でこの失態。妻も私も気持ちが落ち込んでしまった。幸い、妻のカードは別の財布に入れていたので、それで今後の支払いを実施した。本当に、海外旅行は常に気持ちをしっかり持っていないといけないと、改めて、思った。この後、夜にミコノス島に寄港したのだが、外に出る元気もなく、戒めも含めてこの日は船内で待機した。

気持ちをもどし、次の寄港地ドブロブニクでは楽しんだ。魔女の宅急便の町と言われているドブロブニク。この城塞都市はかっこよかった。この時ブランチ(というかワインを飲んだだけだが)をドブロブニクを望む山にあったRestaurant Panoramaで、お昼を城壁内で食べた。しかし昼食前、娘が私の抱っこ紐を嫌がり、妻が抱っこ紐をしていたのだが、もうこの歳の幼児の重さは女性にはつらかったようで、お昼はすぐに見つかる大通り沿いで食べてしまった。正直味はいまいち、お金は高い。この後、元気になって少し路地裏を散歩した。明らかに、そこの方が雰囲気もよくよさげなレストランがたくさんあった。やはり、レストランは路地裏に限る。ドブロブニクは残念ながらもう観光地化しており、非常に多くの人、少し趣きが足りなかった。以前ハネムーンで行った、フィレンツェも人でごった返しており、同じ感じを受けた。それでもドブロブニクは行きたい場所だったので、観光することができてよかった。

ドブロブニクの城壁を見下ろすレストラン、予約なしで入れた
間違いなくここら辺の路地裏お店がいい

一方で、最後の寄港地イタリア・アンコーナは期待していなかった事もあり、非常に我々の点数が高かった。まず、町がガヤガヤしていなくて穏やかで、海も穏やか。路地も小奇麗ながらも昔の街並みが残っていてカワイイ。丘にある教会や壁も遠くから見るとカッコよく、往時はサラセンの海賊の接近をここから注視していたのかと思わせる(本当にそうかは知らない)。食事も街中の歩道のテラスで。おいしかった。

最後にヴェネチアに戻り、ヴェネチアングラスで有名なムラーノ島へ行こうと思っていた。が、なんと、スーツケースが出てこない。。クルーズでは下船の前日にスーツケースを部屋の外に出しておくOperationで、それを下船後に受け取る。しかし、既定の順番になっても出てこない。。我々以外にも数名同じ状況の人たちが。。。大分時間が経って、スーツケースが出てきた。理由が分かった。順番を示すシールを縦に貼るべきものを横に貼ってしまっていたからだ。まぁ、貼り方が悪かったのだが、それくらい見て欲しい。。おかげでムラーノ島に行く時間はなく、と言いたいところだが、飛行機の時間を考えるとドダイ無理だったかもしれない。ムラーノ島に行く船はスリが多発地帯らしいので、この時は行かない方がよかったのかもしれない。ムラーノ島は諦めてゆっくり水路沿いで昼を食べ(この時も路地狙い)英国に帰国した。

このMBA生活で、私は10か国にVisitし、娘は1歳にして8か国を制覇した。ヨーロッパMBAの真骨頂?ですな。ありがたいことです。そして、改めて本当にスリには注意し、不要なカードや現金は別に保管しつつ、持つ場合も分散させるべきだと実感した。