フランス、と聞いて皆さんは何を思い浮かべるだろうか?食、ワイン、ファッション、フランス革命。。が定番であろう。しかし、最近はフレンチテックという言葉も市民権を得始めており、それを示すヨーロッパ最大のスタートアップイベントが、スペインの4years from now、フィンランドのSlushと並ぶ、エマニュエル・マクロン大統領も支援するVIVA Technologyだ。ヨーロッパ押しの私としては、いつか仕事として参加したいと思っていたが、今年は日本がCountry of the Yearに選ばれたこともあり、JETROの主催で日本企業6社の1社として投資先Startup、Makersite(ドイツ)、BeZero(イギリス)、TrustwiseAI(アメリカ)と共に、すごいいい場所にブース設置して参加する。パリへは上の娘の1歳の誕生日以来約5年ぶりだ。

さて、今回はJETRO様主催での参加となるため、日本政府とフランス政府とのネットワーキングのイベント食事会もある。それに向けて今一度、日本のスタートアップ政策を復習しておくのも重要であるため、自分の勉強の一貫で記載する。
最新の公式資料はここに載っているので、これ以降の記載内容との齟齬がある場合は、この公式資料が正しい。
さて、まずStartupの定義だが同資料によると、①新しい事業で合って、②新しい技術やビジネスモデル(イノベーション)を有し、③急成長を目指す企業となっている。ちなみに他で見た定義では②において、「新しいビジネスモデルに挑戦する」のみ書いてある場合もある。この場合技術だけ新しくてはNGだということだ。ちなみにイノベーションの定義だが、①Something new、②世の中に利するもの、③実行可能、であったと思う。つまりイノベーション自体に成長性(もしくは世の中の「比較的多数」の人に役立っている)という概念は不要だ。ちなみに日本ではベンチャー企業という日本語がよく使われるが、Startup とベンチャー企業の違いはビジネスモデルと成長性。既存のビジネスモデルを使う会社がベンチャー企業だ。また成長性もStartupはよくJ-Curveであらわされるがベンチャー企業はその限りではない。

②のスタートアップの意義も大事であろう。「新たな社会課題を解決する主体としても」が非常に重要だと思う。というか、むしろ最近のスタートアップはこれがないと意味がないのではないかと個人的に思うので「も」は、自分の中では削除だ。今回のVIVA Technology参加もその社会課題解決が重要なテーマだ、会社としても個人としてもVIVA Technologyとしても。

ちなみに同資料に面白いレポートが載っていた。GAFAMを除けば、アメリカと日本の成長は同程度というものだ。これをどう見るか。。。

さて、日本政府の「スタートアップ育成5か年計画」の基本だが、2022年から2027年までの5年間でスタートアップへの投資額を8000億円規模から10兆円規模に拡大し、ユニコーン(時価総額10億ドル以上の未上場企業)を100社、スタートアップを10万社創出することを目指している(ITmediaより)。この中に3つの柱があり「人材・ネットワークの構築」、「資金供給の強化 と 出口戦略の多様化」、「オープンイノベーションの推進」だ。
1つ目の「人材・ネットワークの構築」には「シリコンバレーにJapan Innovation Campus設立」があり、シリコンバレーネットワークに日本の起業家を参加させることが目的だ。ちなみに今回のVIVA Technology参加もこの「人材・ネットワークの構築」の1つに位置付けられている。2つ目の「資金供給の強化 と 出口戦略の多様化」にはStartup支援金などがある。また他に企業や個人への税制優遇がある。例えば、スタートアップに出資する場合、取得価額の25%を課税所得から控除する制度があり、これは中々良いと思う。3つ目の「オープンイノベーションの推進」であり、「Startupのエグジットを考えた場合、M&A と IPO の比率に着目すると、米国ではM&Aが9割を占めるのに対し、我が国ではIPOが8割であり、圧倒的にIPO の比率が高い 」(参照)ことは、「野生化するイノベーション」でも指摘されていて、せっかくのイノベーションが、早すぎるIPOにより成熟できず、競合につぶされて消えていくと言われている。この問題解決には大企業の支援が欠かせない。大企業によるオープンイノベーション推進が必要。

ところで、日本政府はこれにどの程度の予算を充てているのだろうか?「スタートアップ創出に関する支援施策関連予算は、2022年度補正予算で約1兆円、23年度補正予算で約2300億円(関連事業総額約1兆円の内数)が計上され、24年度当初で約500億円(関連事業総額約1000億円の内数)が見込まれている」(ITmediaより)とのことだ。さて、フランス政府は?JETROの資料によると「総額540億ユーロにのぼる国家予算のうち50%を脱炭素化関連、残りの50%を環境に負荷をかけないイノベーションやスタートアップ企業に投資する野心的な計画」とある。540億ユーロは1€150円とすると、約8兆円である。これを投資だけに使うので、他の人材育成や拠点設置などは別予算なのだろう。ただ、ちょっと分からないのが、この予算の期間だ。もし今後10年間でこの投資額であったら、日本の22年度の1兆円も負けていない。とはいえ、540億€とぶち上げて、その後追加なし、ということはないので、やはり日本の予算とは規模が違うのか。
以前も記載したが、日本のユニコーン企業の数はまだ少ない。予算を増やせば、ユニコーン企業の数が増えるわけではなく、皆様おっしゃるように文化や教育が重要であろう。日本政府とフランス政府の皆様とは、そのような違いも気にしながら会話してきたいと思う。











