3歳児と6歳児の海外生活ミュンヘン、ノイシュバンシュタイン城、ローマ、バチカン

子供が大きくなり本シリーズは、もはや赤ちゃん連れの海外旅行体験記ではなくなったが、未就学児でも大変な部分はあり。。。なので、引き続き記載していきたいと思う。

赴任のいいところは海外に家があること。つまりそこを拠点に色々な場所に旅行できるということだ!!北欧とか東欧とかロマンティック街道とか!が、そこは未就学児二人を連れた旅、そんな何回も遠出できるわけもなく、ノイシュバンシュタインとローマ+バチカンに絞った。今回の旅行のコンセプトは「無理せず余裕を持ってだ」。

その前に、、6歳児には物心ついて初の、3歳児には文字通り初の長時間フライトという壁が待っていた。昔私が親と海外旅行した際には海外の航空会社も利用したが、基本今はJALかANAしか使っていない。やはり日本語が通じる方が子連れには助かる。実際の搭乗に関しては「怖い」とかはなく普通に楽しそうに乗ってくれた。iPadにNetflixやPrimeVideoをダウンロードしていった。が、3歳児がいつも家で見ているYoutubeを見たいと言い出した。Youtubeは契約してないのでダウンロードできてない。これに手を焼いて全く休めず(妻が)。事前に飛行機内の過ごし方計画を3歳児に示しておけばよかったと反省。

が、それ以外は問題なくミュンヘンに到着し、東京より涼しいということで二人ともミュンヘンを気に入ってくれて、無事職場見学も完了。

二人の顔が硬いのはいつものことなので問題なし

さて1つ目のノイシュバンシュタイン城見学だが、個人で鉄道で行くことも考えた。鉄道の時間が子供に長すぎるのでは?ということでHISのオプショナルバスツアーを予約した。HIS使ってないから「オプショナル」ではないのだが、予約できた。結果としては鉄道のほうが良かったかも?やはりツアーなので時間制限が強かった。ノイシュバンシュタイン城周辺ではツアー内でも長い時間が取られていたが、入った店のランチが出てくるのに40分待たされて、そのせいでツアーのノイシュバンシュタイン城見学時間に間に合わなかった。15分後の見学ツアーに同行できたが、その前にもノイシュバンシュタイン城近くまで行くバス停からノイシュバンシュタイン城までの歩きは下りの坂道でベビーカーにはキツイ、というか危険。そしてノイシュバンシュタイン城からツアーバスも下り坂の山道・・・なかなかハードであった。もちろんツアーでなくて個人で行ってもその坂道を使うのだが、個人であればもう少しゆっくり進めたなと。。ちなみに3歳児はノイシュバンシュタイン城内では爆睡(あるある)。ベビーカーは入れないので私がずっと抱っこしてました。。まぁいいけど。

雨ののイシュバンシュタイン城、これはこれで良かった、移動以外は。。

さて、その後1日休みを入れてローマへ。ローマへはアリタリア航空とBooking.comでホテル(というかアパートメントの一角)Vinylogy Aptを3泊4日で予約。90分のフライトなのでアリタリア航空でもほぼ問題なし。

飛行機に関しては2点、ベビーカーがOver luggage扱いなのでローマ到着後出てくるのが遅くてちゃんと出てくるのか心配になったことと、帰りの飛行機が遅れてキャンセルにならないか心配になったことくらい。ただベビーカーは荷物チェックも通れるし、ベビーカーを持っているとPriority扱いになるので(正しくは年齢だが)ので、Gate前まで持っていくのが正解だと思う。

宿泊場所VinylogyAptは場所が凄すぎてビビった。コロッセオまで歩いて2分くらいであった。設備的にはシャワールームが1人しか入れないので狭すぎて困ったが、それくらい。キッチンもあるので、朝食は節約可能。

徒歩5分と記載があるが、もっと短い感覚

「無理をしない」コンセプトのもと時間が読めないのでレストランの予約はしなかった。1日目は夕食とスーパー買い出しのみ。毎日5時半くらいには夕食を開始していてローマ料理を堪能できた。ちょっと堪能しすぎたので、他のイタリア料理も食べたかったが、今回は無理と贅沢ができないので仕方ない。2日目はコロッセオとフォロ・ロマーノ。未就学児なのでこれらが何なのかは理解できていない。が、フォロ・ロマーノの高いところまで登ったりして二人ともそれなりに楽しくしてくれた様子。その後ホテルに帰って休んで、また5時半くらいに近くで夕飯。無理せず。。

フォロ・ロマーノのテラスの頂上

3日目はバチカンへ。6歳児が一番小さい国をバチカンと知っていて行きたいと言っていたので、今回のハイライト。バチカン内は3歳児はまた爆睡。。でもシスティーナ礼拝堂で起きたのでハイライトのハイライトは見せることができた。

バチカン広場

4日目はスペイン広場にて簡単にショッピングと昼飯で帰国。

総じてベビーカーがきつい。特にローマの石畳。うちの安い日本のベビーカーは車輪も小さいのベビーカーの足がよく曲がり、折れるかと思った。。また、何故か地下鉄が部分的に動いておらずバスの活用を考えた。だが、行楽シーズンで人がごった返していてベビーカーでバス乗りはキツかった。全てUber活用した。バスは厳しいので始めからUberにしておけばよかったと思う。

夏なのでわざわざ涼しいミュンヘンから熱いローマ。そして、きっと子供的にはサンリオピューロランドや海外ならオーストラリアやアメリカなどの方が楽しいアトラクションがいっぱいあるだろう。などなど、マイナス面は色々あった。赴任していなければわざわざ未就学児を連れてくるところではないと思う。

が、この歳でヨーロッパに旅行できたことはきっと彼女たちの糧になっているだろう。今後思い出して良い刺激になり続けると思っている。

イノベーションをおこすには?のバイブルの1つ

さて、「イノベーションのジレンマ」という本がある、スタンフォード大学の故クレイトン・クリステンセンの有名な著書である。多くの日本人が読んでいることであろうと思う。それに対する1つの答えとして「両利きの経営」という本がある。詳細は後述するが、事業の「深化」と「探索」を同時にするという事である。今の日立のコーポレートベンチャリングはこの「両利きの経営」を実践、少なくともChallengeしていると言って良いと思っている。

大企業がイノベーションをおこす、もしくはおこし続ける事ができるか?私の仕事はこれだと思っている。ちなみに「おこす」というのが正しい表現かはまた別の問題としてあるが、今回はここには触れない。

まずは、両利きの経営の基本を4つ紹介したい。

両利きの経営の基本、図はこちらから拝借している

最初はサクセストラップ、要は成功に驕るという事だ。例えば、顧客のために品質高くコスト効率の高いソリューションを提供しようと努力する、これは「深化」だが、これは企業として当然で、その結果売り上げと利益向上という成功がついてくる。そして、プロセス化、規範、文化という形で醸成されてさらに高効率となっていく。しかし、その結果その文脈に載らない事業や一見関係ない外部的な脅威に目を向けられなくなり、結果としてイノベーションが起こらず、衰退、もしくは破壊されるというものだ。

次にダイナミック・ケイパビリティ。組織のリソースを環境の変化に応じて適切に配分するということだ。これだけ書くと経営戦略の基本と何ら変わりがないが、個々のリソースの組み合わせも変えて、新たな市場に向けて適切にダイナミック(動的)に配分する能力、ということが強調されている。

3つ目はイノベーションストリーム。これは本書に記載の内容をそのまま記載したい。縦軸に「既存事業か新規事業か」、横軸に「これまでの組織能力か、新しい組織能力が必要か」の4領域で次の事業を考えるということだ。この各4領域で起こる新たな事業のマネージメントに失敗したことが企業の衰退につながっているということだ。また、特に技術は持っているのに新市場にいけなかった事例が多いという。

こちらを参照

最後は多様化(Variation)選択(Selection)維持(Retention)、VSRプロセスと呼ばれるものだ。この時、それぞれのフェーズで求められる能力やKPIが異なることが大事だ。多様化(そのために必要な探索)をしようとしている時に、維持フェーズ(主に深化)でのKPI、例えば売り上げ、利益、効率性など、を設定してはいけないということだ。特に大企業の場合はそれぞれのプロセスが併存するので、上級マネージャーはその違いをしっかり認識してそれぞれのフェーズを担当させた部署をマネージメントしなければならない。また、総じて維持を担当する部署の方が力が強いので、多様化を担当する部署を適切に守らなければならない。

「この維持を担当する(深化を担当する)部署の方が強い」というのがジレンマの本質だと思っている。当然であろう、これまでの失敗を経験に変えて今のCashを生み出している部署なのだから、成功するかも分からない新規事業部署より強い。しかし、これがDisruptiveされる理由である。よって経営層はここの調整力が求められる。

さて、これらを実現する上で、今私個人として一番大事だと思っているのが、探索チームと深化チームをどうコラボレーションさせるかということだ。本書で主張されている原則5つのうちの2番目に「どこに探索と進化の緊張関係を持たせるかを明確に選定する」というものがある。その方法の1つは、CEOや事業ユニットリーダーがその役割を担い、探索チームと深化チームを明確に分けて、適切に探索チームを守るというものだ。もう1つは上級マネージャーが一緒になって探索も担うというものだ。なんとなく後者の方が良さそうに聞こえる。また、実際に社内のリソースを探索にも上手く使えたのは後者の方のようだ。ただ、想像の通り、後者は時間もかかり、上級マネージャーの報酬体系の変更や、自身のリーダーシップ方針を変えたり、深化と探索の両立の方法を一緒に学んでいくというものだ。これは、これらの実行よりも、こういうことをこれから一緒にやっていこう、と上級マネージャー間でConsensusを取ることが、まず難しそうだ。

しかし、探索をする上でも社内の既存リソースを適切に使わなければ探索リソースが足りないし、そもそも自社の強みを活かせない。もし、これが実現されて探索と深化の間で柔軟にリソースが配分、もしくは組み替えがなされれば外部の新たな脅威に対しても柔軟に対応できると思う。

ここまでは本書に記載の内容がほとんどだ。それではなぜ、既存企業ではそれができなくて、どうすれば良いのだろう。私は2つの企業しか経験していないが、その上で話してみたい。

まずは探索チームだけが探索のミッションを持つことは無理があるということだ。探索チームは概して、社内のリソースを使える立場にない。よって、社内のリソースを持っている事業部のリーダーが探索チームの必要性を理解して、そちらにもリソースを配分することを良しとしなければならない。

もう1つは上級マネージャーの報酬体系を変える必要がある。短期的な売り上げ利益だけがKPIであると、探索側にリソースを配分するモチベーションが湧かない。

ちなみに、事業部側がリスクを取りたがらないのは色んな意味で当然だと思う。例えば顧客とプロジェクトを実施して新しいことを試したとして失敗した場合に、その尻拭いをするのは顧客フロントに立っているチームだ。失敗する可能性があるならやらないのが基本的な考えだと思う。なので、事業部側が探索をする場合は、探索プロジェクトと明確にして、他社を巻き込むなら他社へもそういう説明をしっかりしておく必要がある。

いずれにせよ、イノベーションのジレンマを克服するために、両利きの経営を実践することは容易ではない。しかし、イノベーションはスタートアップだけでおこせるものではない。大企業がイノベーションをおこすために上記の課題を解決しなければならない。チャレンジしがいのあるテーマだと思う。

ヨーロッパ最大スタートアップ祭典VIVA Technologyレポート

先日ドイツ人の同僚と日本のスタートアップエコシステムについて話していて、IPO等の話の流れで「日本のM&Aの数って年間どのくらい?」と聞かれて答えられなかった。。スタートアップのM&Aの数は知っていたが、そこまで見てなかった。やはり全体感を知り、議論するためには必要なので数字は調べて覚えておきたい。

ちなみにIPO数はINITIALがしっかりレポートしている。M&A数はMARRがレポートしている、4000件ととりあえず見れば良いだろうか。また、日本のStartupはIPOが多すぎることが、その後の成長≒社会実装が失敗することの原因と言われているが、StartupDBの調べでは2020年でさえIPOよりM&Aの数が多い。一方経済産業省のレポートでは、2020年ではM&A 20%と数字に乖離がある。いずれにせよアメリカは90%近いので、M&A数を増やす方向には一考の価値があるかもしれない。

スタートアップとスタートアップ以外の定義の違いが載ってない。。以前記載した通りなら良いが。

さて、VIVA Technologyである。いきなり宣伝で申し訳ないが、日経電子版に「日本の大企業・スタートアップ連携、欧州の展示会で披露」と題して私の記事も載せていただいた。

記事に使っていただいた写真、投資先BeZeroとTrustwise AIのメンバーと

やはりパリということもあり、全体的に華やかな見た目。VIVA Technologyのコンセプトは大企業✖️スタートアップであるため大企業が大きなブースを出してその中でスタートアップとのイノベーションを紹介していく。ルイヴィトンなどを擁するLVMHやLorealはB2Cビジネスなので見た目も豪華だが、それらだけでなく、Total EnergiesやENGIEなどの社会インフラ系のブースも洗練されている。日本人の参加者の方からは「日本で開催されてたSushi Tech Tokyoとは、規模も見せ方も違う」という話も聞かれた。Sushi techはこれからであろう。一方で、大企業 x スタートアップの弊害か、ブースは大企業毎になっていて、カテゴリー(例えばAIとか Climate Techとか)毎にはなっておらず一貫性には欠ける。また、「フランス」の祭典でグローバル感も薄い。

LVMHのプレゼンテーションブース

ブースにいなければならなかったのでセッションはほとんど参加できなかったが、Country of the Yearに選ばれた日本が先陣を切っていて、経産省の岩田副大臣、東京都の宮坂副知事の登壇、岸田首相のビデオメッセージがあった。残念ながら今回はマクロン大統領は参加せず、イーロンマスクはオンラインのみであった。日本からは三木谷社長やScrum Venturesの高橋さんなどが登壇されていた。

弊社からはHitachi Venturesの同僚のGalinaがDiversityのパネルディスカッションで登壇してくれた。「私Diversityは専門じゃないんだけど、、」とか言いながらしっかり勉強して発言していた。「日立は2030年度までに「役員層に占める女性および外国人の割合」をそれぞれ30%に引き上げることを目標としている」から始まり「Hitachi Venturesは女性比43%、9Nationalities、5人の内1名が女性パートナー」と多様性をアピールしてくれた。私個人としても、この多様性のある職場で働けることが楽しく、誇りである。

Hitachi Ventures同僚Galinaのパネルディスカッション

Japan Pavilionでは日本の大企業6社と日本のスタートアップ45社が展した。弊社側のコンセプトはイノベーションとグローバルであったので、アメリカ、ドイツ、イギリスのスタートアップと一緒に出典した。他社は日本のスタートアップと出典している企業も多かったので日立がグローバルでイノベーションというのはアピールできたと思う。(ちなみに私もJapan Pavilionで登壇してそれを喋ったのだが、写真がなかった。。)一方で反省としては、スタートアップの紹介はできたが、日立とのコラボレーションという見せ方が弱かったと思う。マンパワーも足りなかったので、参加に対してはもう少し事業部を巻き込んで実施すべきだったと思う。またDigital色の強いスタートアップのみであったため、PC画面での説明になりインパクトも弱かった。TOPPANさんなどは物理的な物を持ってきていたので、見せ方が上手いと思った。

投資先スタートアップMakersiteのJulianとプレゼンに聞き入る参加者

さて、今回のVIVA Technologyへの出展に対しての効果はどうだったろうか?このようなイベントに参加する場合の目的は基本的に4つ考えられると思う。

  1. 世の中に対するVisibilityの向上、宣伝
  2. 新たな営業案件の獲得
  3. 新たなパートナーの獲得
  4. イベントテーマ(今回はイノベーション、もしくはスタートアップ)に対する開催地域動向学び

1.は今回の1イベントという意味ではある程度できたと思う。しかし、これは継続が必要なので、全体の宣伝戦略の流れの中で考えないといけない。2.3.は十分ではなかった。現地で営業やパートナリングをするマンパワーが足りなかったし、マンパワーを得るための我々側の企画が不十分だったように思う。4.はこの4日間だけでは不十分であった。しかし、それをするためのネットワークはできたので今後様々なワークが可能であろう。今回は日本がCountry of the yearに選ばれてJETROさんの素晴らしい企画にのらせていただいた形だ。よって、コストの観点では1社で独自出展するよりも抑えられている。そう考えるとこのくらいの成果でも十分ではないかと思う。一方で、1社として独自出展する事を考えると、欧州、フランスでのCVC戦略をグローバル内でどうするかを考えないといけない。イベント1つとっても北米、欧州、日本で様々あり全てカバーするためにはローカルのマンパワーが必要だ。そのローカルパワーを活用して全体として何をするか。これを考えた後で初めてリソースを割けると思う。今回は弊社として海外スタートアップイベント初出展の中で、今後のワークのためのネットワークと経験ができたのでよしとできると思う。