ビールと交流とEaster Elective

もしかしたら既に同じネタを記載しているかもしれないが。。Easter Termの話はコミュニケーション・ツールやEntertainmentから始めているので、今回はビール、もしくは飲み会について。

MBAに行って気付いたが、日本人は良く飲む。今回たまたま良く飲む日本人が同級生になっただけかもしれないが、他国のMBA同級生にビックリされるほど良く飲む。逆にビールもワインも西欧から来た(ワインはジョージア原産だけど)のに、当の西欧人がそんなに飲まないとはどういうことだ?もちろん特定の日に浴びる程飲む事はあるが、私みたいに(飲み会と自宅含めて)毎日飲む人は殆どいない。確たる理由は分からないが推測するに、西欧ではアルコールは悪というイメージが強い気がする。何となくドラッグとアルコールが少しだけ近いイメージで同一視されていて、アルコールが酔っ払い親父の暴力や交通事故死を連想させているように思う。また健康の為に比較的厳格に控えている場合もある。香港人の女性は「先週は何杯飲んじゃった・・・健康に悪い」「ワカはそんなに飲んでいるのに何で太ってないし、(36歳の割に)若く見えるの?」と言っていた。たぶん、飲み会の無い日は夜10時にベットに入るようにしていたからだと思う(いわゆるお姫様時間、関係ないか)。確かに日本と他国(明確にどこと言えない・・シンガポールや香港も西欧っぽいところがあるし)ではお酒に対するイメージが違うかもしれない。日本では「お酒は適量」。が、他国同級生曰く「WHOの発表ではお酒に適量はない」とのこと。一方で日本人が良く飲む理由はもしかしたら一般的にShyだからかもしれない。お酒の力を借りて腑を見せ合う、という事か。日本人が本当にShyなのかどうかは、これまた定かではないが。ところで「イギリスにはPub文化があるじゃないか」と言われる方がいると思う。おっしゃる通りでCambridgeでもPubで沢山の人々がビール片手に語り合っているのが見られる。ただ、彼らが日本人より飲んでいるのかは分からない。しかし、このPub文化は非常に良いと思う。Pubは沢山あるので、ある人と少し意見交換したい場合も「じゃぁここで軽く飲みなが」と言えるし、実際ビール1、2杯の軽くで会話して終われる。日本で「軽く」と言っても結局夕飯のようになって多く飲んでしまう事にならないだろうか??まぁそれも良いのではあるが。Easterでは、生活への慣れもあり、何度か軽くPubで会話して意見交換のような事ができた(実は一人で飲んでた時もあった)。何にせよ、イギリスでも日本でもビールは良いコミュニケーション・ツールの1つであると思う。

The EagleというCambridgeの有名なPub、DNA構造の発表がここでなされた
が、観光客ばかりがいるのでCambridge生はあまり行かない

さて、実はビールについてもう少しネタがあるのだが、長くなりすぎるのでここでElectiveの内容に移りたい。

正直、Lent TermのElectiveは失敗だった、Creative LabというCreativeな考え方が出来そうなElectiveを取ったのだが、ただの「アイディアをどうPitchにまとめるか」の授業だった。一応「物事を考えているときは脳内の氷山の一角部分しか意識に出てこないので、CreativeなIdeaをするためには深層の部分にアクセスすべき」というような話はあった。が、そこにどうアクセスするかの方法や練習はなかった。昔日本で受けたCreative系の授業では、例えば、「部屋におかしな絵や写真を貼っておいて、煮詰まったらそれを見ながら考える」等。

おかしな絵の例、不思議の国のアリスはその名の通り不思議なので良いよう

Creative Labの先輩達からの評価は高かったので担当教授のせいだと思う(コースの担当教授は毎年変わったり変わらなかったりする)。もう一つ、Managing Innovation Strategicallyという授業があったのだが、これは私がIBMに勤めていた事もあり、得るものは少なかった。つまり、授業内容は殆どIBM内で実践されている事であったからだ。まぁ、やはりIBMはそれなりにちゃんとやっているのだなと感じた、Innovativeかどうかは置いておいて。。最後の一つ前出のNew Venture Financeは良かった。正直Finance初心者の私には未だに理解できていない部分もあるが、概念等初めての事だったし、教授も良かった。この結果Easterでは同じ教授が教えているFintech Strategy for Non-Financial IndustryというElectiveを取った。一応IBMでは金融担当だったのでFintech系もそれなりに知っているのだがCreative Labの失敗を生かして、教授で選ぶのも重要だと思い受講した。後はMerge&Acquisition(M&A)とPrivate Equity(PE)だ。単位にはならないがテストも受けなくて良い聴講が一つ取得できるのだが、これはLiberalization Regulation in Financial Marketを取った。

Fintech Strategyの教授はCambrige Centre of Alternative Finance(CCAF)の創設者のRobert (Bob) Wardropだ(RobertがなぜBobになるのか分からない、、ロブじゃないのか?)。ちなみに、JudgeにはCCFAのような専門的なFacultyがいくつかある、他にも活発なのがEntrepreneurshipを進めているThe Entrepreneurship Centreだ。さて、このボブの授業はテンポ良く進み、話し方にも信頼が持てる。金融のことをやっているが「自分は社会学者だ」と言っていて、その辺りにも共感が持てる。(Fintechのような)Technologyの事や金儲け(?)の金融の事を社会学としてAcademicに考えているという部分が良いと感じた。内容は、銀行や信用の話から、Blockchain、最新のFintechまで網羅していた。ただ、残念ながらBlockchainの回は難解だったようで、事前知識が無い同級生が新たに理解できた例は皆無に思えた。私としてはBlockchain含めて信用をこれからどう創出して管理していくかという議題に対しては考えさせられたのが良かった。もちろん、まだ答えはないのだけど。

FIntechの授業中に出た、これは誰で何した人?という問い
答えはCambridge大学のTrinity Collegeの教会内にあるニュートンの像で、彼は元々王立造幣局の職員で、貨幣の信用創出に力を注いでいたという話

M&AとPEの授業であるが、内容はそれらの業務内容を綴り、B/S等の財務諸表でどう評価するかというモデルの部分であり、一般的な内容だ。よって私の受講理由だけ記載しておくが、以前も記載したのだが、Lent TermからMoney Gameと思って嫌いであった投資や財務についての経済界での意味について興味が湧いて来ていた。よって、それらの業務に触れられるM&AやPEを受講している、New Venture Financeも同じ文脈時で事項している。また、M&Aの先生は実際にBarclays銀行でM&Aを担当していた人だし、PEの方も経験のある方で意義のある授業であった。

ただ、正直、M&AやPE、New Venture Finance、果ては経済学系の全く経験のない授業は授業内容をしっかり咀嚼するための十分な時間が無かった。これらは実際に投資やそのような業務に携わる時に改めて勉強をし直す必要があると思っている。

Easterでもまだ有ります Core 授業

前回ダンスについて、「同級生は飲んだ後よくダンスに行く」と記載した。でもよく考えたら、日本人も飲んだ後同じようなところ行きますよね?カラオケ。そして、人によっては(私もだが)カラオケ中に踊ったりしますよね?そして、日本人もクラブに行く人は結構いるし、外国人でもカラオケが好きな人は多い。Cambridgeにもカラオケ屋がいくつかあって、予想外に同級生とよく行った。カラオケ行って日本人同級生数人とAKBを踊ったら、数名の外国人は「日本人がこんな感じで踊るなんて!」と大分びっくりしたようで、その後よく「カラオケ行こうよ〜」と言われた。実際、日本にいた時よりカラオケ行っていた。。エンターティメントが好きなのはみんな一緒だし、やっぱり一芸はいいコミュニケーション・ツールになる。

さて、そんなカラオケもダンスも頑張ったEasterだが、今回は必須(Core)授業について記載する。必須授業はBusiness and Society、Operation、そしてMacroeconomicsだ。

Business and SocietyはSustainable Business(もしくはSociety)について学ぶ授業であり、昨今の世の中では必須の概念である。要は「ビジネスをする際には(短期的な)利益だけ考えてもダメだよね」ということで、持続的にビジネスをする(利益を上げる)ためには社会の事を考えていこうということである。それを実現させるための手段の一つとしてSocial Innovationが重視されている。ただ、このSocial Innovationは中々定義付けが難しいよう。実際、LentのElectiveでNew Venture Financeの1回目の授業でゲストとしてSocial Businessの会社を起業した(Social Innovationを実践している)女性がスピーチに来ていたのだが、同級生のドイツ人が「Social Businessの定義は何か?社会に役立つというのなら普通の会社もそのために存在しているのだから一緒ではないか?」と質問していて、その女性は答えに窮していた。私も完全に同意見で、わざわざ”Social”と付ける必要があるのかと思っているし、Sustainableもビジネスの基本だろうと思う。これに対する今の私の思いは、西洋的な資本主義の中で”Profit First”の思いが蔓延しており、そのAnti-thesisとして敢えて”Social”や”Sustainable”という必要があるということだと思っている。昨今再度脚光を浴びてきた渋沢栄一が作り上げた日本式の渋沢資本主義では最初からそのような概念があったので、日本が西洋的資本主義のAnti-thesisとして役に立てるのではないかと思っている。授業自体は少し微妙だった、同級生も同じ印象のよう。ただ、この授業は範囲が広いので、まとめ方も大変なのだろうと思う。先生の教え方や人気の教授については別途記載したいと思う。

授業中に実施したゲームの結果。チームに分かれて7年間で漁業会社のProfitを最大化する。しかし、魚を取りすぎると海に魚が居なくなって利益を上げられなくなる、という結果になっている。

Operationの授業は基本の他に、工場見学がある。私はジャガーを有するランドローバー社への見学に割り当てられた。ただ、この工場自体に見るべきものがあったかどうかは疑問。昨今ではIndustry 4.0が謳われておりIoTと自動化を駆使した工場が理想とされている。もちろん、Industry 4.0がまだ実現途中であることは理解しているが、その工場ではIoTのカケラも見れず、慶應大学の機械学工学科時代に訪問した工場との違いがあまり見えなかった印象だ。ちなみに、この授業の教授はJane Davisで、MBAの学長だ。ったはずなのだが、今は変わっているのか?私のCambridge受験時のInterviewerでもある。授業中にゲームを織り交ぜて、学生に対して理解と興味を促すよう工夫が見られた。

ちなみに前出のImpulse Programmeで知り合ったメンターが、Jamie Urquhartさんで彼はソフトバンクが約3兆円で買収した事で有名なarmの創業者の一人だ。彼は自分をgeek、ようはオタクだと言っていて、バリバリのエンジニア(だった?)なのだが、armではOperationを担当していて、それがその後のヴェンチャーキャピタルにおける仕事(Due diligence とか)に役立ったと言っていた。

ジャガー
とか載せつつ、車に興味がないので良さが分からない。。

と、実はここまでを前回記載していて、途中で思い至った。「Easter全部を一回で書かなくてもいいじゃないか」と。。。結果、前回はOverviewで今回はCore授業になっている。

さて、Macroeconomicsは一般的なマクロ経済学なので特記事項はないのだが、個人的には非常に面白かった。Michaelmasのマイクロ経済学もそうだが、世の中の事を何とか理論的に見せようとする先人達の取り組みは面白い。それが完全に成功しているわけではないと思うが、普通に仕事をしていても帰納法的に知見や経験を理論や法則に昇華して、実践することは非常に重要だと思う。AcademicとBusinessでの実践、一見相反するように見えるこれらを上手く一緒にやっていくのが重要だと思う。

Party people!! Easter Term Overview

(今回は前半がParty、後半が授業の話である、授業の分量少ないけど・・・)36歳のおっさんにキツイのはなんと言っても睡眠時間が削られること(ナポレオンの強みの1つは睡眠時間が少なくても全然OKはだったことのようだ)。そして、36歳にして初めて”クラブ”のダンスのような事を経験する事である。ここでいう”クラブ”はイギリス社交界のクラブではなくて、日本人の言う六本木のナイトクラブ、もしくはディスコの事である。私の友達も普通にクラブに行って踊っている経験がある人はたくさんいるが、私はない。踊るのが嫌いなのではなくて(実際AKBは大分カラオケで踊った、そのおかげで海外同級生とCambridgeのカラオケ屋で盛り上がれた。一芸っていうのはいいですね。)、なんとなくクラブに来る女性がParty Peopleっぽくて自分のタイプじゃないと思っていたからだ。まぁ、今ではDiversityの感覚がなかったなと思うけど。しかし、同級生は基本的に踊る。二次会はカラオケの代わりにダンスに行こうという。そして、36歳で初めて踊りの場に、その名の通り、躍り出るのは正直キツイ。当然どう踊って良いか分からないからだ。これが20代なら違うだろうと思う。ダンスもコミュニケーションの1ツールなので覚えているに越した事はないと感じた。また、踊る時は夜中を超える。これがCambridgeの良いところであり悪いところでもあるのだが、皆Cambridgeに住んでいるので、終電とかはない。よって、終わりの時間が遅くなる傾向が強い。私は朝方で、悪い事に、どんなに飲んでも朝早くに目が覚めてしまう(おじいちゃんか・・・)。そして、当然睡眠が浅いとその日のパフォーマンスが悪い。これは非常に非効率だ。

睡眠時間が少なくても活動できたナポレオン
それがリーダーの資質の一つなら私は終わっている。。。

それでもダンスにはよく参加した。特にEaster Termは、ほぼ最後のTermである。MBAと言えば、Networkingは一つの大事なFactorである。この最後のTermでもしっかりとNetworkingをする必要がある。イメージとしては、MichaelmasやLent Termで構築した同級生との関係やなんとなく肌感覚で分かってきたCambridgeの文化を駆使して外部との関係を構築するのが良いと思う。私は、Cambridge大学のVenture CapitalであるCambridge Enterpriseへのヒアリング、Cambridge大学のAccelelatorプログラムであるImpulse Programme へのFacilitator としての参加、そしてDowning CollegeのKeio Summer Schoolの手伝い、を実施した。それぞれについては別途記載する。

「夜中までダンス」という意味ではプログラムは1年間だし、この1年間だと思えばなんでも頑張れるということで、Networkingの為にも、繰り返しになるがダンスには進んで参加した。Easter Termは、Cambridge大学としても大イベントが企画される。それがMayballと呼ばれるものだ。Mayは5月、Ballは正式なダンスの事。Party People的にはHighlightである。6月の2週目から3週目にかけてCollege毎に1年間で最大のPartyが開かれる(Mayなのに6月だが、年月と共に時期が当初からズレるのは良くあること)。一般的にMBA生は3つくらいのMayballに行く。Judge、自分のCollege、そして歴史的なCollegeだ。私は自身のDowningのMayballはタイミングが合わず行けなかったが、MBA生がたくさん集まるという理由で、JudgeとHuges Hall(MBA生の3分の1がここ所属)に行き、日本人同級生からチケットを買ってMagdalen CollegeのMayballに行った。JudgeとHugesは正直ショボかったが、その分値段も安かった(90£くらい)。が、Magdalen CollegeのMayballは素晴らしかった。値段も190£と、衣装のレンタルで70£かかったが、想像以上のHigh Qualityで、それだけの価値はあった。まず衣装は男性はWhite Tie(燕尾服)が必須であるが、そんな物はイギリス人の学生も普通持っていないようで、レンタル出来る。ちなみに一般的なタキシードはBlack Tieである。時間は19時(くらい)から朝5時まで。当然ダンスしている。朝5時まで居た人達は”Suviver”と言われて讃え(?)られる。私は3時までいたが、次の日朝早くHeathrow空港に行かねばならず、寝ないで向かった(ある意味Suviver)。College内全体を使って区画毎に催し物がある(写真コメント参照)。本当にこれは参加してよかったと思う。Cambridge MBAに行く方は歴史的なCollegeのMayballは参加必須である。Queens’やJesusはMBA生も多く比較的行きやすい。チケット購入に乗り遅れても大抵2週間前くらいになると余りが出てくるので、「MBA同級生に余りが出たら売って」と言っておくと良いと思う。実際私もQueens’所属の台湾人の女性に頼んでおいたら2週間前に「余り出たけどいる?」と言ってくれた。結局都合が悪くて行けなかったけど、やはりQueens’も相当良いらしい。

入り口付近を対岸から
庭の一角でJazzが夜通し
ナイトディスコ
夜のPunting、最高!
生ハム食べ放題
生牡蠣食べ放題、シャンパン飲み放題

さて、先にPartyの事を記載してしまったが、Easterの後はSummer Termで、プロジェクトを自身でやるか、Internshipをやるかであり、MBA後の就職に向けた個々人の裁量に依る。Easterも授業面では、必須(Core)授業は減って、Business and Society、Operation、MacroeconomicsとConcentrationだけである。後はElectiveが3つか4つ。少し自由時間も増えるので、Summerに向けたプロジェクトの準備や、就活、前回記載したMBATの練習等に時間を費やすこととなる。

CoreとElectiveについては次回記載するのでここではConcentrationについてのみ記載する。

Concentrationは10つのTopicから一つを選ぶ。私はEntreprenuershipやGlobal Businessと迷ったのだが、起業を促進するシステムには興味があるが、起業自体を必ずしたいわけではないのでEntreprenuership は辞め、Global Businessよりも潰しがききそうなStrategyを選んだ。が、結果的にはこれは失敗だった。というより、Concentration自体が微妙なプログラムであった。Concentrationと銘打っており、しかも最後の必須授業でありながら10つのトピックから選ばせる辺りから同級生含めて非常に期待したのだが、何の事は無い、ただの計4回のSpeaker Eventであった。結果、内容はSpeakerのQualityに依存し、Concentration全体として上手く出来ているとは到底言えない。私はあまり授業やプログラムは批判しない傾向なのだが、Concentrationに関しては酷かった。同級生も同じ意見のよう。ただ、同級生によると中には良いSpeakerも居たようでSocial InnovationやGlobal Busineeの一部の方は良かったよう。またHealthcareの担当教授も良かったようで、生徒達のCareerの相談等も積極的にのってくれて、有意義なConcentrationだったようだ。確かにHealthcareだとStrategy等に比べて、その名の通りIndustry Focus(Concentration)されているので、教授としても色々アドバイスしやすいのだろう。StrategyのSpeakerで唯一面白かったのはイギリスの諜報機関の一つであるGCHQの前長官である。LeadershipにはVisivilityも必要だと話をいただき、ロンドンの爆弾テロの際にはGCHQ内を悠然と歩いて、落ち着いて行動するように促したという。それがStrategyと関係あるかどうかはおいておいて。。。

Concentrationはさりとて、Easter Term自体はCore授業が減ったとはいえ、逆に自身の裁量でやるべき事が多く相変わらず気が抜けない。私自身としては、このタイミングで色々な活動が出来始めて良かったなと思っている。

MBA外の人と交流しよう!:Venture Creation Weekend

2019年7月19日。このブログを記載している日であるが、寒い。。昨日とか日光が出てると中々暑さを感じるのだが、今日は曇りで日が陰ると寒くなる。ここら辺は日本と違って湿気がなく、カラッとしているからなのだろう。しかし、この寒気でさらにクーラーを点けなくても良いと思うのだが、そんな中、図書館では同級生のロシア人が半袖で作業している。ここら辺の感覚は今でもよく分からない。それは置くとして、7月なのに涼しく感じられるのは日本人としては幸せなのだろうと思う。日本を思い出すと、この時期はもう汗だく。。。

比較して、まだまだ寒かった3月にCambridge Judge Business Schoolで開催されるVenture Creation Weekend (VCW)というインキュベーション・プログラムに参加した。MBAコース内には組み込まれておらず、Judge内で開催されるイベントの一つだ。以前記載したが、Cambridge大学周辺はCambridgeが理系に強いということもあり、スタートアップが盛んなエリアだ。AmazonやMicrosoftも研究施設を構えている。そして、ビジネススクールとしてJudgeもEntreprenuership Centre を構えていて、そこの主催でVCWが年に3回開催される。今回のテーマはInnovation in Food Security であった。他にもIgniteという一週間のプログラム等、MBAコースとは直接関連のないEntreprenuership Programme がある。

このVCW、最初はよくあるWorkshop (社内研修やMBAコースでやるような1日起業体験コースみたいな)程度だろうと思って参加した。しかし、参加者はPos-DocやPhDが多く(Cambridge大学でない方も多い)、彼ら彼女らは自身が研究しているIdeaをビジネスにしたいと思ってきているので、自分達のIdeaに熱意を持っている。そこが一般的なWorkshopとは根本的に違った。

参加者は70人くらいか、Natural Science(理系)関連の研究者が多い、内MBA生は1割超えくらい

1日目は、Ideaを持っている参加者が簡単なプレゼンをしつつ、10個くらいのIdeaに絞ってチームを編成することに費やされる。そして、2日目と3日目は基本的にはIdeaのビジネス化で3日目午後の投資家向けプレゼンに備える。メンターとして実際の起業家や投資家が参加してくれて、1日に3回も相談する時間を設けることができる。

右下の方がメンターの一人

このメンタリングが結構良くて、聞けば確かにそれが当然重要(例えばMonetizeどうする、とか、最初顧客をどう取り込むとか、まぁBusiness Development(事業開発)の基本なのでしょうが・・・)とわかるが、聞かないと見落としている部分だ。そして、皆自身の経験から進め方を教えてくれる。例えば、Financingについて質問した時に「正直コストは大体見積もりが甘くなり、後から必要な物が分かることが多い。かといって過剰見積もっても投資家に受け入れられない」と言われた。結局アドバイスとしては、「今そこまで考えるより、定性的に魅力的なビジネスか」を考えた方が良いとのことだった。そして、当然だが、How Can I help?と聞かれるので質問は明確に考えてこなければならない。

この辺りMBA生として私が網羅的に考慮点をまとめないといけない部分ではあるが、まだまだである。しかし、MBAコースで学んだことを実際に考えて意見を言えるので良い機会だった。今回私のチームはMBA生が私1名だったのも非常に良かった。私が考えている間に他のMBA生に意見を言われてしまうこともないので、拙い英語でも議論がリードできたし、自分で考えるという機会も得られた。実際、Financial Modelingの経験はないが、私に任せれもらえて良い機会であった(どちらにしろやるしかなかったのだが)。

左3名の女性はCambridge大学在学(今回は真ん中の女性のIdeaを元にビジネスプランを作成)、右端の女性はドバイより、右の男性はインド人でチーム内で一番Maturityが高いと感じた

また、MBA外のメンバーとチームワークをするということも勉強になった。MBAの同級生は、私の英語スキルに配慮して最初から気を遣って喋ったり確認したりしてくれるが、今回はその点、私から直接的にお願いする必要があった。また、ビジネス用語やビジネス感覚についても考慮する必要があり、彼ら彼女らのIdeaを理解し、噛み砕いて、成果物に落としていく、というプロセスをもっとよく考えるいい経験になった。例えば、網羅的に考えるよりも、一つの事を突き詰める傾向にあるため、その場合、議論の方向修正が必要な事などだ。

今回のテーマが「食の安全」であり、我々のIdeaはCambridge大学のPos-DocであるErika Freemanの研究が元である。彼女の研究は食物の二酸化炭素排出量が分かるDatabaseを整備するというもの。ビジネスアイディアとしてはそれをユーザーに提供して、Eco-Friendlyな食物を選んでもらおうというものだ。正直、わざわざ二酸化炭素排出量が少ない食べ物をスーパーで選ぶか?と思ったが、リサーチすると、確かにUKでは敢えてそのような物を買うという傾向があるよう。環境への配慮が強いようだ。

表彰

それもあってか、我々のチームは投資家からの評価は全体の中の2位であった。本当にこのまま真面目に進めれて、色々な方達と相談をしていけば、ビジネスを始めることできるのではないかと思える内容だった。もちろん、そのためのハードルはたくさんあるだろう。また、今回参加したことで、これが全てではないと思うが、Ventureを社会へどう出していくかという部分、CambridgeのStartup Ecosystemの一部が垣間見れたことが良かった。これについては別途記載しようと思う。

メンター・セッション中の参加者


「官」の「民」に対する意味は?:世界保健機構

う〜〜〜む、今は7月半ば、今回記載しているGlobal Consulting Project (GCP)を実施したのは3月。完全に忘れとる。。昔から、歳を取ると物忘れが酷くなると言われていたが、AI(というか、Neural Network)に仕事で関わってから、その理由がよく分かる。最近のAIは人間の脳を模したNeural Networkを使っている(人間の場合はシナプスのネットワークだが)。それで、AIを教育する時はたくさんの「質問(問い)と答え」の組を与えるのだが、たくさんの異なる答えを覚えさせれば覚えさせる程、正答率が悪くなる。例えば、「犬と唐揚げ」をAIに見わけさせる、という取り組みがある。この場合、「犬の画像」と「問い」(入力)で、「犬」が「答え」(出力)。そして、「唐揚げの画像」が「問い」で「唐揚げ」が「答え」。

トイプードル(らしい)と唐揚げ、確かに一瞬だと人間でも見分けが難しい。。

そうやって、たくさんの画像を教え込む。そうすると、教えた事のない「犬の画像」を見せる(入力する)とこれは「犬」と答えが返ってくる(出力)。しかし、ここで、多くの似ている物体、例えば、茶色猫や蜂蜜、その他諸々の画像を教え込むと正答率が低くなる(と思う)。それは他の「答え」に引っ張られるからだ。つまり、今私の頭も他の経験に引っ張られて、思い出したい事を思い出せないのだと思う。MBA前に英単語の勉強をしている時も、似た単語(CompatibleとComparativeとか)は覚えにくかった。子供の方が習得が早いというのはそういう事だろう。やはりブログを書いておく意味はあったと思う。10年後、多くの投資をしたこの経験を思い出すためにも。。

さて、GCPはCambridge MBAコースのハイライトと言っても過言ではない。実際のお客様とプロジェクトを実施する。”Global”と言っているので、半分くらいのプロジェクトはイギリス以外で実施される。(後述するが私もジュネーブにプロジェクトでは2日間滞在した。これくらいで十分だと思っていたのだが、全プロジェクト期間中海外に滞在していた同級生に話を聞くと、お客様が休日に色々連れて行ってくれたり、現地のCambridge Alumniに会えたり、と色々良い面もあったようだ。)

CVP もプロジェクトとして Michaelmas Term に実施しているが、Hard Skill的にもSoft Skill的にも勉強した事が増えているので、時期的にLent Term完了後の3月半ば〜4月半ばに実施するGCPが重要だと思う。CVPはプロジェクトを学校側が指定するが、GCPでは学生側で3つ応募して、プロジェクト実施先のお客様がCV(履歴書)を見て選ぶ。学生によっては自分でプロジェクトを立ち上げる(Sourcing)場合もある。私もMBAが始まる前は自身でSourcingしたいと思っていたが、このLent Termの段階は自身のMBA後や将来について非常に悩んでいる時期で、熱意を持ってやりたいプロジェクトを創出できなかった。プロジェクト創出にもお客様となる会社と会話しなければならず、自身がやりたい事が不明瞭では交渉もできないしタフな英語での会話も続かないと思う。ちなみに日本人の同級生でも、外人同級生とアフリカでVenture Capitalを立ち上げるというプロジェクトを実施していて、素晴らしいと思う。

学校側が用意してくれるプロジェクトも中々良いのが揃っている、Social ImpactからVenture Capital, Tech Companyまで、会社名で言うと、Lego、Expedia、Uber、Google等々(プロジェクト例)。私が担当したのはWorld Health Organization (WHO:世界保健機構)。

スイス、ジュネーブのWHO本部(建物自体は古い、、さすが写真はカッコイイ)

WHOのプロジェクトはCambridge MBAの歴史的にも長いようで、応募の人気も高い。今回も2番目の人気だったよう。ちなみに1番人気はEmilate航空のTechnologyによるOperation改善(だった気がする)。ただ、プロジェクト期間1ヶ月で出来ることはたかが知れている。何を求めて実施するかは明確にしなければならない。WHOを選んだ理由は単に名前の人気度と本部にあるジュネーブに行きたかった、と言うのもあるが、真面目な理由は一度Public Sectorについて考える機会が欲しかったからである。そういう意味でも、今回のプロジェクトのテーマが「Private SectorにおけるWHOのValueを明確化する」であったため、非常に良かった。

CVPメンバーもそうだったが、今回のチームメンバーも何故か全員英語Native。これだけ国際色豊かなMBA Classなのに、幸か不幸かNativeメンバーとのプロジェクトが多い(幸だろう)。まずは、Christopher Spinello(クリス)、デロイト出身のアメリカ人でチームのリーダー格。プログラミングを高校から勉強してたり、実はオタクっぽいところがありクリスも「若と俺は似てる」と言ってくれた。次にDaniela Bartalini(ダニエラ)、イタリア系のアメリカ人で、ニューヨークのNPOで働いていた。一番面倒見が良くて、よく私のことを気にかけてくれた。Aimée SommervilleはMBA内でも一番容姿が整っていると思う。彼女もアメリカ人でデロイトで働いていた。どちらかというと、UX(User Experience)が専門で、プレゼン資料が見易くて綺麗。最後にZal Udwadia(ザル)、インド人で、唯一のヘルスケア業界出身。MBAT(ヨーロッパのMBA生の運動会@フランス)のCambridgeチームのサッカーのキャプテンで、実はGCPの前にサッカーチームの選抜があって私は彼に落とされた(笑)が、そんなことは当然関係なく仲良くできた。(そもそも、私の年齢的な体力(が理由か?)では確かについて行けなかった。。)

上のWHOの画像の旗の上に見えるバルコニーから、左からクリス、ダニエラ、エイミー、ザル。

プロジェクト内容としては、WHOの市場価値を、主にインターネットでの情報収集(Secondary Research)とInterviewやアンケート(Primary Research)で明確化し、今後の活動に対する提言を実施するものだ。WHOとしては、昨今の技術を取り込んで自身の取り組みの影響を拡大するためにもPublic Sectorの地位に甘んじることなく、積極的にPrivate Sectorと協業していきたいようだ。そのためにも自身のPrivate Sectorに対する価値を明確化したいのだろう。そして、今回特別だったのが、先方が上記テーマでJudge Business Schoolでの1日Conferenceを企画するということで、最終報告はこのConferenceとなる。

今回のプロジェクトはPM経験が豊富なクリスがLeadershipを取って進めてくれて、正直おんぶに抱っこだった。PMらしく、お客様の要求の切り分けも率先してやってくれたし、現地のジュネーブでもお客様の担当者とよく会話をして方向修正してくれた。

プロジェクト実施状況の一例:Jesus Collegeのカフェにて

私自身の貢献という意味でいうと、アンケートの作成と結果収集が主(あとInterviewを少々)だった。が、アンケートの内容については、クリスがBrandingのフレームワークをJudgeの教授と会話し、考えてくれたので、私はそれに対する意見と実際の作成という手を動かすだけであった。この点、本来であれば私ももう少し頭を使う部分に貢献すべきだと思うが、中々、複数名での、しかも経験がない分野の英語でのDiscussionが難儀であった。一方でCVPに比べて貢献できたと感じるのは、お客様や第3社に対するInterviewだ。CVPの時点では恥ずかしながら、ほとんどお客様と会話が出来なかった。しかし、今回はジュネーブでのWHO本部やCambridgeのarm社(2016年にソフトバンクが3.3兆円で買収)へのInterviewの際には自身のTech Backgroundを生かして良い質問が出来たと思う。

いつも感じるが、ジュネーブでお客様と直接会話するのはやはり重要であった。その後の電話会議でのやり取りも、お互い相手のことが分かっているので、ジュネーブ訪問前よりもスムーズであった。もう一つ感じたのは、Interviewを快く受けてくれる方々である。今回30社以上のNPOや会社へInterviewを実施した(主にエイミーとザルの役割)。Interview先は学校やWHO、チームメンバー個人のNetworkを使って依頼しているが、日本でこれだけのInterviewを実施できるものだろうか?

結果であるが、Private SectorがWHOに求めるものは、1.(WHOと協業することによる)Reputation、2.専門家間のネットワーク(これはWHO側も相手に求めるもの)、3.現場と世界の課題 だ。1.と2.は事前に予想していたが、3.が個人的には意外だったし意味があると思う。IBMで働いていても、「何をするか?」はIBMが分かるものではない。業界における課題はお客様が持っている。しかし、お客様自体も課題が分からない時があり、逆にIBMに業界トレンドを求めることがある。そういう意味で、例えばヘルスケア業界の課題についてWHOから知見を得るというのは納得がいくし、WHOの強みだと思う。

最終報告書のあるスライド(これだけ見ても何か分からないと思うが)

armへのInterviewも面白かった。arm自体はTech Companyであるが、彼ら自身がSustainable Businessを追求するコミュニティー、2030Visionを主導しており、マイクロソフトなども参加している。なぜ彼らがこのような一見関係のない活動をするのか?ビジネス的な意味は何か?と問うと、「この取り組みが我々のDifferenciation(差別化要因)である」とのことだった。それは前出のようにこのコミュニティー活動によって、現場の知見を得たいという意味が含まれているよう(もちろん単純に社会活動としての意味もあると思う)。

そして最後のConferenceであるが、これは非常に勉強になった。WHOが関係のあるパートナー(arm等の会社やNPO)を呼び、Judge側でも経済学の教授などを招待して実施した。午前中はMcKinseyのヘルスケア担当や我々の報告書のプレゼンで、午後はWHOのパートナー同士の強みを考えるという参加者もチームで別れて実施するワークショップであった。ワークショップは5チームで、それぞれWHOの職員とMBA生が1名づつFacilitatorとして会話をリードする。私がこれまで参加したConferenceは「聴くだけ」の物が多かったが、参加者と一体となってIdeaを出していき、仕上げるというのはNetworkingという意味でも良いなと思った。

WHOのConference、Judgeにて

一方で、ハプニングもあって、当初ConferenceのFacilitatorをするはずだった人物が途中から急用で対応できず、クリスが代わってConferenceのFacilitatorを実施したことだ。これまでもクリスにおんぶに抱っこで、ここにきてさらにクリスが率先してConferenceをリードすることになり、正直悔しい部分があった。私も日本で数十名のHacathonやDesign Thinkingを主導したこともあるので、もし、日本だったら私がやっていたのに。。。と思ったが、果たして英語が出来たとしてクリスより良いLeadershipが取れたかどうか。きっと難しいだろう、Leadershipを取るためにはチームへの貢献が必要だが、私のこれまでのチームへの貢献度は低いし、日本語チームだとしても市場調査方法でリーダシップが取れたかどうかは中々怪しい。

GCP完了後、ダニエラがみんなに手紙を渡していた。CVPの時もアリスンが同じことをしていた。私の母親も手紙が好きで、誕生日やクリスマス等のイベント時には手紙を用意する。そして母親はアメリカが大好き。なんとなく、彼女達は似ているなと思った。バカにしているわけではなくて、手紙はいいものだと思っている。

「男のロマン」の果て(?)イスラエル紀行(下):スタートアップ

ビジネス・スクールなんだから真っ先にこの内容を書くべき。なのだが、興味の範囲が歴史や国際関係偏重なので仕方ない(理系なので科学技術は言うに及ばず)。自己紹介にも記載したが、本棚はほぼ歴史の本で仕事関連の本なんかほとんどない。それにしてもなぜ歴史が好きなのだろうか。聞かれてもあまりちゃんと答えられない。帰国前に一度ちゃんと考えて、ブログに書いてみよう。MBAコースで記載したい内容が溜まりに溜まっているが。。。

本棚再掲

ビジネス的にイスラエルと言えばスタートアップだろう。個人的にはサイバーセキュリティー関連が多い気がしている。それは兵役があって、そこで学んだ技術を元に起業することができるからだと思う。ちょうど訪問時も、テルアビブ大学でサイバーセキュリティー関連のConferenceが開催されていた。前々回に記載したIBMが買収したTrusteerもサイバーセキュリティーの会社だ。正直サイバーセキュリティーは専門家でないと中々難しい内容である(ちなみに私は素人と専門の間くらいではあると思う)。例えば、いくらITセキュリティーに投資をしても、アメリカ、ロシア、北朝鮮、イスラエル辺りのサイバー部隊に本気で狙われたらどうしようもない。こうしている間も国家レベルで様々なサイバー兵器が開発投入されているのであろう。リアルタイムで攻撃のトラフィックを見ることができるサイトがあるので、一度見てみると面白い(MBAの授業で教えてもらった)。実際私の好きな出川さんがCMをしていたコインチェックの仮想通貨流出事件は北朝鮮ハッカーの攻撃であったようで、北朝鮮的には外貨入手のための方法の一つとして重要な資金源なのだろう。一方で、コインチェックのような中小企業がどの程度セキュリティーに投資すべきかは難しい問題ではないか。セキュリティー対策は際限がないし、ガチガチに固めたところで何の攻撃もないかもしれない。ガイドラインがあるのか、と思って探したら、あった。経済産業省が公開しているよう。とは言え、対策の程度は中々難しそうだと常々思っている。

リアルタイムのサイバーアタック状況 (2018年のある時期の例)

イスラエルに話を戻すと、スタートアップが盛んな理由は、兵役以外にも4つの重要な要素があるようだ。今回訪問したOur CrowdStartup Nation Centralでこの要素については同様なことを紹介してもらった(この二つの会社の取り組みについては後ほど)。まずはCulture(文化)。イスラエル人は合理的で果敢な文化精神があると言われている。これは前回記載した近代史からも建国間もない国としての生き残りをかけていた(いる)状況が影響しているのかもしれない。また、ネットワーキングの強さを指摘されることも多いが、これはユダヤ人コミュニティーの結束力の強さがそうさせるのであろう。2つ目はIDF(Israeli Defense Force:イスラエル国防軍)であるが、これは上記の通り(ちなみに同行した同級生のシンガポール人に「JSDFってさぁ〜・・・」って話をされてJSDFって何?って聞いたらJapan Self-Defense Force(自衛隊)のことだった、、そう訳すのか。。)。3つ目はImigration(移民)。イスラエルは移民をしっかり受け入れており、それにより多様性が育まれて、Ideaが生まれるそう。が、前回記載の通り疑問が残る部分ではあるし、これによる国内問題もあるのであろう。4つ目はGovernment Support(政府の支援)。Israel Innovation Authorityという政府のInnovation支援官庁があり、政府主導のアクセレレーター・プログラム等も盛んなよう。5つ目はLuck(運)。運は大事であろう。マキャベリもリーダーの資質に重要なのは「ヴィルトゥ(徳)」、「時代を読む力」、そして「運」だと言っていた。イスラエルの場合は、たまたま建国間もなく、たまたま紛争が多くて、たまたま技術力が上がった、のであろうが、それらを引き寄せた国内の力も見逃せない。(運の重要性は認識しているつもりなので、運についても自分の考えを整理して記載した方が良いかもしれない。。)

スタートアップ ネーションに繋がる5つの要素
イスラエルの国民一人辺りのスタートアップの数は世界一

さて、今回訪問した会社の一つであるOur Crowdは西エルサレムに本拠があり、Venture CapitalとCrowd Investing(クラウド・ファウンディンの一形態)を合わせた事業形態で展開している。よって、クラウド・ファウンディングを利用して、Our Crowdのサイトから個人でも投資ができる。ちなみに日本では投資型のクラウド・ファウンディングは事業者側には高いハードル(規制)があるが、出資者には規制がないよう。そして、Venture Capitalの役割も担うため、Our Crowd自身がdue diligenceを実施した品質の高いスタートアップが多いそうだ。

もう一つのStartup Nation CentralはNGOで、テルアビブに本拠があり、イスラエルのInnovationを促進するために各Stakeholderを繋げる活動を主に実施しているよう。サイトでは、興味に沿ってイスラエル内のStart-upを検索できるし、イスラエル内のスタートアップに関する調査結果を閲覧できる(要登録)。当然、前出のサイバー・セキュリティーだけでなく、農業(Ag-Tech)やインフラ(Water&Energy)も盛んであるよう。

イスラエルStartupの業界

一方で、最近はスタートアップ企業数などは減少してきている(させてきている側面も)。それは、スタートアップ企業は雇用に結びつきにくいので、政府がより規模の大きな企業の数の増加に政策転換をしてきているからだという記事も見られた。現地でお会いした日本人の方も「最近はスタートアップよりも巨大テック系企業の存在感が大きくなっています。エンジニア系人材の草刈り場になり、イスラエルのスタートアップの起業数は減ってきてるそうです。~~ 特にインテルのイスラエルの活かし方は抜群にうまくて、スタートアップの買収により新しい事業領域にはいると同時にイスラエルに経営資源も投下し、R&Dや事業開発の拠点化をしているように見えます。」という内容を記載されている。スタートアップが持て囃されている現在、つい華やかな世界に見えるが、大企業も(当然だが)重要な意味を持つのだなと思った。経済における大企業、中小企業、スタートアップ、それぞれの役割や意味についてまだまだ理解していないと認識した次第である。翻って日本(人)の事を見てみると、少し驚いたことに訪問時のPresentationの中で、日本のInnovation順位が意外にも低くないことが分かった。例えば、World Economic Forumによる調査によると、R&D Expenditureの対GDP比はイスラエルが1位で日本が3位。もう少し調べると、Research & Development全体では日本が1位でイスラエルは17位。さらに上位カテゴリーのInnovation Capabilityでは日本は6位でイスラエルは16位だった、1位はドイツ。ただ、やはり日本のStartupの数は少ないようだ。しかし、Innovation Capabilityがあって、それで本当にInnovationが起きているのであれば良いと思う。日本はもうInnovationが無いというのは穿った見方なのだろうか。

都市別のスタートアップ数ランキング、テルアビブが世界6位、日本の都市の名前はない

どのようにイスラエルと協業していくかと考えると、この大企業スキルを駆使するのが良さそうだ。同じ記事だが、「イスラエル人は、スタートアップ、ベンチャー、イノベーションに関心があり、得意であるが、辛抱や長期的企画、大規模な経営などは必ずしも得意ではない。それに対して、日本はスタートアップやベンチャーはあまり得意でないが、組織の大規模化や大量生産化は得意であると言えよう」との記載があった。イスラエル自体も漫画、食、だけでなくて、ビジネス的にも日本には興味があるようで、近々日本への直行便ができるそう。ただ、現在イスラエルが持つ日本への興味はスタートアップの買収元やFund資金であるように思う。実際楽天がViberを2014年に買収し、この楽天Viberが2015年にNextPeerを買収している。可能であれば、お金の面だけではなくて、国民性や技術力に興味をいただいていただき、その部分でWin-Winの関係になれれば一番良いと思う。

イスラエル紀行、長くなったが、歴史、現状、そしてビジネスと記載することで、これら3つは無関係ではなく、繋がって現在の経済とビジネス状況になっているのだなと理解することができたように思うのでよかった。旅行が終わった後に、ここまで調べたのは初めてだ。ただ、毎回このレベルでブログを書くことはできないが。。。

初海外経験 Communication 指南書 – Business Trek 編

さて、そろそろこの指南書も最後かなと思っている。いくらまだ英語が不十分すぎるとしても、海外での Communicationの取り方は慣れた気がするからだ。ここで記載するBusiness Trekの企画はどこかで紹介すべきと思っていたが、同級生の中で自分の存在を認識してもらうという意味でも良いものであったので、Communication指南書の一つとして記載する。(ヘッドの写真は今年のJapan Trekのハイライト、スタジオジブリの星野会長と)

Business Trek、またはCareer TrekはMBAではお馴染みのもので、MBA生がある地域の会社を訪問して、その地域の文化、経済を学びつつ、Post MBA後の就職先候補とのConnectionを作るものである。学校側で企画してくれるものもあるが、Cambridgeでは主に学生が企画している。ただ、公式にBusiness Schoolから認めてもらえるので、会社へのお土産や旗(写真参照)などを渡してくれる。今年の学生はSilicon Valley TrekSingapore Trek、Israeli Trek(これからだけど)、他にも様々なTrekを企画していた。(下の写真は今年のJapan Trekの一コマですが)

このTrekは非常に良くて、会社訪問も当然だが、企画者は基本的にその地域の出身なので、普通の旅行では中々経験できないことをTrekに盛り込んでくれるからだ。私が企画したのは当然、Japan Trek。実は発案者は去年の方達で触発されて実施した。

Japan Trekの企画をした理由は3つ。リーダシップを取って、同級生に認識してもらいたい。参加した同級生とTrek内で深く話して、彼らの知見を得ると共に、Post MBAでも付き合っていきたい。Cambridgeの名前を使って会いたい会社と会ってPost MBA後のNetworkの一つとしたい。

さて、企画自体であるが、日本人同級生の協力のおかげで全体的には問題なく進んだと思う。実施時期は1月の3日〜9日、日本人同級生への声かけはMBA前からやっていたが、実際に企画を本格的に始めたのはMBA開始直後。ただ、一つ、大変というか、難しかったのが、「本当に実施するのか」と「実施時期」を決めることで、MBA開始前後に実施を決断したことだと思う。

1月の3日〜9日は他にもTrekが開催される時期だし、Career Eventもあったりで、スケジュールが読めない。Japan Trekの企画を手伝ってもらう日本人同級生も他のTrekに参加したい気持ちもあり、Japan Trekに参加できるか不明、私自身も行けるなら、他のTrekも行きたい。かと言って、他のTrekも開催されるかはまだ不明瞭。さらには、これが一番問題なのだが、私自身1月のその週は妻子がCambridgeに来たばかりであり、幼児と妻を異国の地に残して1週間も日本に帰れるのか。しかし、結果として色々不明瞭な状況でも上記日程で開催することに決めた。これも3つの理由で、まずは私自身が、たとえ参加できなかったとしても、企画をしたかったこと。次に同級生の中に「是非日本に行きたい!」と言ってくれる人がいて、勇気付けられたこと。最後に、企画をしていうちに色々明瞭化されてのみんなもJapan Trekに同行したい気持ちが上がっていく、と考えたことだ。

実際、他のTrekは開催されなかったり、延期されたりで、Japan Trekを開催できた。Strategyの授業でも言っていたが、「情報が不十分な中で決断しないといけないもの」らしいので、今回の経験は良かったと思う。改めて、「やる」と宣言して、人の意見を聞きつつも強い思いを持って実施しなければならないと感じた。(今まで自分は人の意見を聞いて意向に沿うばかりを重視してきたところもあったかもしれない)

さて、Trekの中身だが、正直なんでもできる(できたはず)と思う、Cambridgeの名前を使って。TV番組にも出れるだろうし、東京の大学で同い年くらいの著名な人とセッションをやってもいいだろうし、会いたい人や行きたい会社に行けると思う。今回はお会いできなかったが、小泉進次郎議員にもアプローチしたし、今回お会いできたスタジオジブリの星野会長は、特にコネもない中直接メールをしてご快諾いただけた。結果として、Plug&Play様、Next Beyond Ventures様、光明寺の松本紹圭様、楽天様、ソフトバンク様、スタジオジブリ様、へ訪問させていただいた。

結果として私の日本滞在は2.5日であった。それでも妻には大分迷惑をかけたと思う、感謝に絶えない。そして、私が行けなかったせいで、日本人同行者の同級生にも大分迷惑をかけたと思う。ありがたい。

Japan Trekの前半半分は主に京都観光で、後半が東京での会社訪問。スタジオジブリは、私が連絡したこともあり、行きたかったので、後半の2日間を私のTrek期間に選んだ。

話が少し逸れるが、久しぶりの日本は何か新鮮だった。日本の広告や人の動きや、電車などの普段の光景が何か違ったものに見える。3ヶ月でこれなので、MBAが終わって帰国したらどう感じるのが楽しみだ。

このTrekで一番面白かったのはMBAの同級生と日本の電車に乗っている時だ。これまで普通に使っていた電車に、色々な国の学生たちと一緒に乗っているというのは、なんとも言えない感慨深さがあった

本当に企画して良かったと思う。色々もっとできたと思うことはあるけど、最初の3つの目的は達成した。同級生内での認知は、この企画をSlackなどで参加を呼びかけているので、参加した同級生だけでなく、他の同級生にも若林を認知してもらえたし、会話時に「Japan Trekの企画どう?」とか聞かれて良い話題にもなる。二つ目のTrek参加者との交流は言うまでもないし、これからも付き合っていけると思う。3つ目はConnectionはできた。ただ、このConnectionはShort Termで使っていくよりはLong Termで使えるものだと思うので、今度どうなるかはこれからのお楽しみである。