注意必要かも、欲しがりません勝つまでは

新型コロナウイルスで自粛生活が続いている。5月末現在、日本の緊急事態宣言は解除されたが、昔の日常はまだまだ戻らず、将来的にも昔とは違う日常になるというのが世の中の認識だ。私も7月末まで原則在宅勤務という会社の方針である。

一方で、4月初期のころは、子供が外でサッカーしていることや、営業している飲食店の110番通報があったようだ。「自分が頑張っているんだからお前もがんばるのも当たり前」という、日本人の調和の精神のNegativeな面が出ていると思う。消費増税の時もTakeoutは8%で、店内は10%という事に対する批判で、「Takeoutといって店内で飲食した客をどう扱うか?」という疑問を持つ消費者がいたようだ。ほっておけばいいと思う。何かやむにやまれぬ事情があってそうしているのかもしれないし、ただ2%払うのが嫌だというのであれば自身の尊厳を傷つけているだけだ。

昨今は自粛が当たり前で、少しそれを外した行動をすると批判されることがある。今はそれが大事だと思う。実際、新型コロナウイルスにはわからないことも多いし、医療現場はおいておいて、市内のマスク着用がどれだけ意味あるのか科学的な論文は少ないようだ。だからこそ危機意識が大事だと思う。

ただ、妻と話していた、この世の中の危機意識が極端に走ったのが戦争中の日本だったのかもしれないということだ。戦争も急に起こったわけではなく、徐々に国と国の雰囲気が変わっていて、おかしいこともおかしいと言えない(言ったら捕まる)状況になったのだと思う。なるほどなと思った。コロナによって監視社会が進むのか、監視社会から警察国家になっていくのか。技術的には、センシングで人の顔の筋肉や温度等のデータを取れば、何にどう反応しているかわかる。それは感情まで把握されるということだ。昨今のコロナの影響で、そういう監視アプリに対する人々のハードが下がってきている感は否めない。少なくとも日本は第二次世界大戦の反面教師があるのでそうならないと信じたい。(のろけで申し訳ないが)妻から示唆を受けることも多く、ありがたい。

全く異なる話だが、日本は極端に匿名を用いるという話がある。これが日本のジャーナリズムが弱い理由らしい。欧米では新型コロナウイルスの犠牲者に対して実名と経歴を載せてお悔やみを申している。日本では有名人だけだ。「もし彼ら(取材相手)がバッシングを受けたら?報道記者には、「そんなことは起きません」という保証などできないというのが現実だ。」その通りだと思う。とは言えこの記事の結びは以下となっている。「匿名報道は、長い目で見れば結局のところ、メディア不信の源泉になりうると警告するのである。このこだわりを、報道記者は職業倫理として持ち続けるべきだろう。そうした報道側の姿勢が、不信と苛立ちが強まるコロナ禍の中にあって匿名社会への転落を防ぎ、人が正々堂々と意見を言える社会の基礎を固めていく一助になるのではないだろうか。」

ビジネスにアートは必要か??ヴェネチア人の考え等

MBA生最大の悩み、Post MBA(後編)を記載するべきなのだが、脇道にそれて2回目となっている。。生きていると「自分が忘れないうちに記載しておこう」と思うものが出てきてしまう。就活の話も早く記載しなければと思う(どんどん忘れていくし)。とは言え、今回は少しは就活に関係があるか?

「アート」と聞くと皆様はどうイメージするだろうか?やはり挿絵に使った「最後の晩餐」のような美術作品だろう。私もそうだ。ちなみに好きな作家に、原田マハさんがいらっしゃる。特に「楽園のカンヴァス」が好きだ。彼女のおかげで美術の見方が少し変わった、映画の見方も。「キネマの神様」は志村けんさんで見たかった。ご冥福をお祈りいたします。また、話が逸れたが、、実は「アート」に関しては疑問に思っていたことがある。「政治はアートだ」という言葉だ(知らなかったが、陸奥宗光の言葉のようだ)。なぜ芸術という感性的なアートが政治なのだろうか?と思った(思いますよね??)。実は大好きな塩野七生さんの本にもしばしばアート(塩野さんの本では「アルテ」)について記載がある。

商売を効率良くやっていくには政治、外交、軍事のいずれの面でも、非常にきめの細かい技を駆使しなければならず、そのようなアルテ(技術)は、作品を残すアルテ(芸術)に比べて、才能としても、少しも劣るものでないことを知っていた(海の都の物語 ―― ヴェネツィア共和国の一千年

民族の興亡のはじめには経済力の強大が来、次いで政治力の成熟が訪れる事実が、証明してくれるようです。つまり、人間が、自らの智恵をしぼってやるに値する「技(アルテ)」なのです。(マキャベリ語録

ヴェネチアの話を見ると「ビジネスはアート」という事は前提のようだし、マキャベリも「政治はアート」みたいなことを言っているようだ。そして、「アート」は「技」という事か。これは塩野さんの本にも記載があるが、アートの語源はラテン語のarsであり、ギリシャ語では自然に対比される人間の技や技術の事のようだ。これはMBA、というよりイギリスの大学に行ったことで理解できた。イギリス(欧米は全部そうかもしれないが)の学位の欄には大別して「BA」と「BS」という物がある。これはなんだ?と思うと、BAはBachelor of ArtsでBSはBachelor of Scienceだ。この場合Artは当然芸術ではなく、哲学や、音楽、言語学など人間が作り出したもの。歴史もここではArtsに含まれる(そうすると以前記載したエドワード・H・カーの「What is history」に対する考察と異なるが一般化するという意味で歴史がScience的な考え方をするという主張は上記の分類学的な話とは別だと考えたい)。ちなみにリベラルアーツ(Liberal Arts)はArtsやScienceを学ぶ前の基礎的な学問の位置づけだ。だから、Scienceを学ぶ前に文の書き方や説得力の向上を狙う”英語”の授業があるのは当然だ。私も慶應大学の3年生で、Technical Writing という授業を受けて、理系における文章の書き方を習った。

純ドメ日本人が必ず悩む「私の大学の学位ってBA?BS?どっち??」というのもこの考え方の違いからくる。理系と文系という考え方がイギリスにはない。乱暴に言えば、理系も文系もScienceでNatural Scienceが理系でSocial Scienceが文系だが、歴史はどっちでもないので注意が必要だ。

上記の文脈から明らかに「政治はアート(という学問の分類だ)」と言える。が、陸奥宗光や塩野七生はそういうことを言いたかったわけではないと思う。同じように上記の文脈から、「アートは人々が努力して作り上げてきた技」ともいえると思う。よって、「様々な要素を考慮して、きめ細かく知恵を絞って実行する技(アート)が政治だ」ということで、「それは芸術家が芸術を作り出すときの作業に劣らない」という事だと思う。男性は歳を重ねると芸術的な作業をしたくなるようだ。なぜ男性だけなのかは分からないが、歳を重ねることで自分の中に様々な要素が溜まっていく。それが混ざり合うことで良い作品が出来上がるのだと思う。アートなので、感性が必要だというのも、単純だがその通りだと思う。結局は感性も「様々な要素を考慮して、きめ細かく知恵を絞って」という事から発現するものだと思う。つまり、芸術も「センスや才能」というような一般的にどうすれば手に入れられるか分からない物に左右されるのではなく、人間の努力の産物だということだと理解している。よって、「ビジネスにアートが必要」と言われる場合、ビジネスに感性や芸術家的な要素が必要だという狭い意味より、もっと広い「人間の技」が必要だということだと思う。

そういう意味ではビジネス、特に経営もアートだと思う。MBAを卒業して経営に近いところで仕事をさせていただいているが、考える範囲や要素がMBA前と比べて莫大に増えた、世界、地政学、技術の範囲、地球環境、等々。ありがたい事である。このような膨大な要素を考える時、フレームワークや方法論は役に立たないと思う(当然ある特定の領域を整理する上では役立つ)。まさに芸術家のように(って、芸術家になったことはないので分からないが)頭の中にある経験や知識をなんとかして統合して形作っていくという非常に疲れる作業の継続が必要だと痛感している。

アンパンマンとばいきんまん

「アンパンマン地獄」妻が最近口にする言葉で、朝から晩まで娘がアンパンマンを見たがり、しかも一緒に見ないと機嫌が悪くなる、という状況だ。私も最近は在宅勤務で、毎日朝から晩までアンパンマンの歌が聞こえてくる。実家に帰ると私用に買われた30年前のアンパンマン玩具や図鑑が役に立っている。娘は1歳10ヵ月だが、皆様のお子様はどうだろうか??

とは言え、アンパンマンが2歳近い子供にあれだけ好かれるのはすごいと思うし、アンパンマンがないと妻は家事も出来ない。内容も深い話だなと尊敬もする。アンパンマンの生みの親、やなせたかしさんは元軍人で太平洋戦争にも従軍している。その戦争体験が元になったようだ。ここを参照させていただいているが、そこには

戦争と飢え。さらに戦争終結によってこれまで信じてきた「正義の論理」さえもがひっくり返ってしまう。~~ しかし逆転しない正義もある。それが献身と愛だ。そして弱者を助けること。自分の身を削って人を助けるアンマンパンにはそんなやなせの想いが凝縮されたものだった。~~「正義に勝ち負けなんて関係ない。困っている人のために愛と勇気をふるって、ただ手をさしのべるということなのだ」 やなせのこだわる「正義」。それをテーマにした著書もある。『わたしが正義について語るなら』(ポプラ社)だ。 やなせはアンパンマンを書いたのは「本当の正義」を伝えたかったからという。アンパンマンはヒーローだが情けない。弱点もたくさんある。そして相手を決して殺さないし、「自分はエライ」と自慢しない。

と記載がある。

「やなせうさぎ」というキャラクターがいる、記念の回にしばしば登場するうさぎで、やなせたかしさんが自身の代わりに登場させているものであり、現在のオープニングの最後にも出てくる。劇中では常に、「お腹が空いて動けないところをアンパンマンが助ける」というベタなシーンである。が、これこそが、やなせたかしさんが戦争で飢えに苦しんだ時の正義の味方の具現化なのだと思う。それもあってか、名シーンに見える。

アンパンマン』新オープニングは雰囲気が違う?“やなせうさぎ”も登場 ...
現在のオープニングの最後

そんなアンパンマンだが、BSでは朝8時から1時間で昔(といっても10年前くらいだと思うが)のアンパンマンの再放送をやっている(これも見せられて妻は可哀そうだが、なぜかここはあまり集中してみない娘)。これを見ると、オープニングや、アニメの内容が今と少し違う事に気づく。昨今のアンパンマンを見ると、バイキンマンは食べ物を取り上げて勝手に食べる事はあっても、閉じ込めたり捕まえたりするシーンは見当たらず(あるのかもしれないが)むしろアンパンマンとのやり取りが友達のように見える。ドキンちゃんに至っては横で見ている事が多い。一方で昔の劇中ではバイキンマンの行いはもっとひどく、ドキンちゃんも直接手を下している、昨今のいたずらレベルとは明らかに違う。オープニングも昔はアンパンマンが悪を倒す派手さがあったが、今のオープン二ングは技術が進化しているにも関わらず、優しいタッチだ。(ちなみに娘はバイキンマンが好き。バイキンマンの人形を離さない。)

この違いはなんだろうか?

おそらく昔は、分かりやすい「悪を倒すかっこいいヒーロー」の方が視聴者が増えるという判断だったのだろう。しかし、DVや虐待、体罰が問題になる中で、暴力的な描写を減らしたのではないかと思う。だが、それだけではなく、やなせたかしさんの原点に戻ったとも見れると思う。それは「正義のための戦いなんてどこにもないのだ」ということであり、逆に言えば「悪を倒す戦いもない」と言えるのではないかと思う。(ただ、バイキンマンはアンパンマンを倒すために生まれてきたという設定のようなので、戦うのは宿命のようだけど(でも最近仲良く見える))。昨今人気の「鬼滅の刃」も敵役の鬼には鬼の過去と論理がある。この世に本当にこの人(行い)は悪だ!というのは難しいのかもしれない。私がそれに気づいたのは、中学生の時にガンダムを見ていた時だ。小学生のガンダムはロボット達が戦っていて正義が悪を倒す図式に見えたが、よく見るとジオン公国の独立戦争で、ガンダムの所属する地球連邦がそれを阻止するという図式だ。

昨今、少なくとも日本のアニメにはそういう物が増えてきていて、いい傾向だと思う。グローバル化の反動でポピュリズムの波が来ている昨今、やはり多様性を重んずる心は大事。それがなくなれば自分と違う物は悪だと見てしまうかもしれない

MBA生最大の悩み、Post MBA(上):MBA生の就活の基本

多くのMBA生は、準備とMBA期間自体に大金と多くの時間を投資する。そのリターンを求めるのは自然な流れで、最も大きな悩みはMBA後のCareer(と金)だ。

いい転職ができるのか?今いる会社に戻ったほうが良いのではないか?と日々悩む。やる気の問題だという回答もあると思う。数年前に読んだ記事で、誰かがある欧米の教授にインタビューをしていた、「なぜEUはあるのに、Asia Unionはないのだと思いますか?」と。その教授の答えは「やる気の問題だ」であった。確かに、MBA受験もやる気の問題で、4年かかったが合格した。そのやる気を喚起するものは何か?という中で、合理的な理由が元からあればいいが、ない場合は自分で作ったりする場合もあるだろう。例えば、TVを見るのを止めたいからTVを捨てる、勉強に集中するために付き合い人と別れる、等。MBA生にとって(私費留学を選んだ理由は選択肢がなかったからだが・・・)、私費というのは転職のDriverになるとは思う。

MBA生の就職活動について1つの投稿で記載しようと思っていたのだが、長くなる事に気づき、、分けての記載とした。今回は一般的にMBA生が経験する就職活動とCambridge MBAが提供する就職活動支援の内容だ。自身の具体的な経験は(中)と(下)で記載している。

留学MBAと言えば一般的には2年制だ。それは起こりがアメリカだからで、今も知名度ではアメリカのMBAが一番だからだ。合格前は軽視されがちではあるが、欧米のMBAはCareerに対するコンサルティングも充実していると思う(私が受験中見ていない中国やシンガポール、イスラエルもMBAコースのCareerサポートはしっかりしていると推測する)。MBAに入った後、もしくは合格した後に次に来る、そして最大の悩みがPost MBAのキャリアだ。そのため、MBAコース内にはCareer Counselも組み込まれている。また、企業側もMBAを卒業した人用の採用枠と育成プログラムを持っているところも多い(Johnson & JohnsonやAmazon、大手コンサル会社や、日本でも楽天などだ)。そのような企業は学生がMBAに入学する前に懇親会を実施してMBA留学生に唾をつける(ある意味厳しいMBA受験を戦い抜いたお祝いで、さすがに中々よいDinnerが無料で食せるし、MBA留学同期に会えるので合格したら必ず参加すべき。ここで、「あ、俺合格したんだな」と実感がわく。ちなみにこの制度が日本以外でも存在するのかは不明)。

マッキンゼー・アンド・カンパニー日本支社では、実務経験をお持ちで ...
古い画像だが、McKinseyのMBA壮行会告知のバナー

ここから就職プロセスが始まる場合もあるので、すでに行きたい業界が決まっている場合は積極的に会話をすべきだ。特に欧州の1年生のMBAの場合は気を付ける必要がある。なぜなら、就職プロセスは基本的に2年生のMBAを基に作られているので、「1年目の夏が終わってから秋までに応募してください」というのは、1年制の場合は「今から応募しろ」という意味だ。大手コンサル会社や製薬会社、金融系はMBA就職審査プロセスが早く、このパターンが多いので注意が必要だ。一方でMBA採用とは関係ない通常採用を考えている場合はこの限りではない。MBA採用の対象年齢(年齢は関係ない!と言われるが、そうは言っても、なんとなくあるのは万国共通だと思われる)は27~29歳くらいのアメリカMBAの平均年齢くらいだとか。欧州MBAの平均年齢は29~31歳くらいだと思うが、そう考えるとギリギリ31歳までくらいが対象だと思う。ただ、大きくCareer Changeしたい場合は年齢が高くてもチャレンジするのはありだ(自分たちを慰めるためにMBAシニアの会というのを同期欧州MBA留学メンバーで作った、申し訳ない(?)が当時35歳以上が入会条件だった)。私の場合で仮定すると、銀行の投資部門に就職したい場合は、年齢が10歳下の同僚と同列でしばらく働くのを覚悟で、このMBA採用コースに就職するのが一番の近道のように思う。それでも2~3年もすれば飛び級の可能性もあるだろう。一方でそうでない年齢が高めの学生は通常プロセスの就職活動になると思う。実際私も大手外資のコンサル会社からは2019年の7月くらいにプロセスを始めて2019年9月末くらいにOfferをいただいた。通常の3か月間だ。そう考えると、急いでプロセスを始めるか、卒業3か月前に本気になるか、は人それぞれだ。私の場合はずっと本気のつもりだったが、自分がPost MBAで何をしたいか分からず、方向性も決まっていなかった。ようやく分かり始めたのがSummer Term前くらいで6月くらいから本格化した気がする。

とはいえ、本格化しないからと言って、その期間何もしなくていいわけではない。常にInputとOutputは必要だ。Inputは簡単に言えば業界研究。以前にも記載したが、CambridgeにはMBAコース内で平日の夕方は企業の説明会&Networkingがある。簡単に言うと、会社と採用プロセスの説明会とそのあとFree軽食飲み会なのだが、食べ物目的でも参加したほうがいいだろう。企業の人とも話せるし、何より同級生と話す機会も貴重なので、説明会の内容をネタに会話したらいいと思う。また、この会だけではなくて、そこここで同級生に業界の話を聞くのも重要だ。そのためにDiverseな学生が集まっているMBAなのだから。また、日本の企業もMBA期間中に各地の日本人向けに懇親会兼採用活動を実施している場合もあるので積極的に参加したらいいと思う。あまり興味がなくても時間があれば行くべきだ(当然他の活動とのバランスを考えつつ)。思いがけない出会いがあるものだ。

下の方に2回ある”Employer Event”というのが企業の説明会&懇親会

一方で、この時期のOutputは何ができるか?「考えること」と、「それを誰かに話す」ことだと考える。話した後にFeedbackをもらう事は当然重要だが(もしくは数社受けてみるのもあり。私もいくつか受けた、ぜんぶ落ちたけど。。。)。相手は同級生が最初の候補者であるが、他にも教授、企業の人、大学の他学部の学生教授等々いくらでもいる。ここはネームバリューなのだがMBA在学の学生だと名乗れば、多くの人は話を聞いてくれる。ありがたいことだ。ここで間違えてはいけないのは、「タダ会う」だけではないことだ。話の中身が重要なので、考えがないといけない。ここら辺は人にもよると思う。「とりあえず会おう!!」というのでうまくできる人もいる(もしかしたらそういう風に見えるだけで、裏ではすごい考えているのかもしれない)。どちらにせよ、話す内容が重要なので相手は自分の考えた内容にマッチする人を選ぶ。また、Business Schoolが雇っている専門のカウンセラーもしくはアドバイザーと会話するのも良い。Cambridge MBAコースにも業界や内容(「何をするか?」に悩んでいる就活の初期なのか?それともプレゼンや面接対策がしたいのか?等)で複数のアドバイザーがいた。彼女彼らに話してみるのは何回かはすべきだ。

ちなみに、最初私はこのシステムが分かっておらず、就職の悩み何にでも答えてくれる人が数人いるのだと勘違いして、自身の進むべき道について相談する予約をしたら彼女はプレゼンの専門だった。しかし、結果としてよいセッションになり、さすがにプロだなと感じた。

このようなCareerに対する予約をするサイトだが、Cambridge MBAの学生専用のサイトで、Employer Eventの予約等だけでなく、MBA生を採用したい会社の検索や応募も出来るようになっている。残念ながら日本の会社は少ないが、欧米の会社は多い。上記で記載した、受けた会社は、このサイト経由で応募した。Amazon(と他にもあった気がするが・・・)の現地MBA採用だったが、明確なCareer Goalもなく英語もしょぼいので当然落ちた。

コンサル志望なら、コンサル特有の面接方式である、ケース面接対策のセッションがあったり、学生同士でコミュニティーを立ち上げて練習している。私は受けた上記のコンサル会社が唯一のコンサル会社であり、しかも直前まで受けるつもりがなかったので、ケース面接対策を全くしていなかった。それでも事前に図書館で本を借りたりMBAが提供しているアプリで練習したりしたのだが、1次面接はひどかった。「もう少しケース面接を練習したほうがいい」と(本当に)ありがたいご指摘をいただき、ポイントもご指導いただき2次面接では巻き返すことができた。やはり、会社によってケース面接は違うので、しっかり情報収集が必要だと感じた。

CVPGCP等の実際の会社をお客様にして実施するプロジェクトやBusiness Trekでコンタクトした会社も就職先の候補となりうると思う。事前にどういう会社に行きたいか明確であれば、GCPではその業界の会社のプロジェクトに応募しネットワークを作っておくのがよいし、Business Trekもその文脈で訪問先を探せばよいと思う。私はそれまでに明確化できなかったため、なんとなく(とはいえリンクのブログに記載した事は考えて)プロジェクトや会社を選んだが。

GCPにおけるお客様との会食の様子

また、MBAコースの運営側からもしばしばフォローが来る。MBAは優秀な学生をたくさん集めたく、そのために在学生のPost MBAは非常に重要なので、できるだけ早く、Innovativeで、Name Impactが強くて、給料の高い会社/Positionに就いて欲しい。それもあって、彼女たちは協力は惜しまない。依頼(誰かに会いたい、とか)をすれば取り合ってくれる。まぁその協力の仕方には賛否両論(3か月間もほっておかれた、等)あるが、学生側の問題もあると思う(再度フォローしなかった、依頼が不明瞭だった、等)ので、一概には言えない。

Class of 2018/19の就職結果、結果に関わる部分なのでMBAの最重要情報かもしれない

上記のように主に、MBA側が提供するプログラムを記載し、その中で私の就職活動の前半を記載した。この期間は精神的にキツかったなと思う。「時間もお金も投資して、本当に自分にとって意味のある仕事が見つかるのか?」「MBAの最初の3か月が終わったが、先が見えない」という思いがあったからだ。それでも、聞いて、考えて、話した結果、ぼんやりと見え始めたのが、Easter Term(春)のあたり。これ以降はまた次回。

運命の女神とネットワークと

「運命!?運命などに俺の人生を左右されてたまるか。」(ラインハルト・フォン・ローエングラム)、「運命というならまだしもだが、宿命というのは、じつに嫌なことばだね。」(ヤン・ウェンリー)と中々嫌われている運命(宿命のほうが嫌われている・・・)であるが、「運命の女神は、積極果敢な行動をとる人間に、味方する。運命の神は女神なのだから。彼女に対して主導権を得ようと思うなら、乱暴に扱うことが必要なのだ。運命は、冷たいほど冷静に対してくる者よりも、征服したいという欲望を露わにしてくる者のほうに、なびくようである。」(ニッコロ・マキャベリ)や「運命の赤い糸」と言われるように、昔から気にされていた概念でもあるのでは。しかし「運命の赤い糸」に関しては、それを「運命」と言ってもいいし、「タイミング」と言ってもいいのではないかというのは結婚経験のある男女の共通見解ではないかと思う。私が話した範囲の既婚の方は男女問わずこの意見に賛成だった。つまり、付き合い始めるのも、お互いに彼氏彼女がいない状況で、そろそろ欲しいなと思うタイミングが合ったのであり、結婚もそれぞれの人生設計の中で今が良いというタイミングが合ったからであろう。極論すると(検証できないが)別のタイミングがあれば別の人と結婚をしていたかもしれない。そういう意味でいうと時間と空間の制約というのは改めて大きいなと思う。とは言え、そのタイミングで出会ったお互いが、一緒に時間を育んでいく事とその結果できたお互いの関係や思いはPreciousだと思う。だからこそ、一期一会、人の出会いや縁というのは重要だと言われるのであろう。

「ニッコロマキャベリ」の画像検索結果
みんな大好きフィレンツェの外交官、ニッコロ・マキャベリ。大学生くらいで彼の本を読むと、「うわ、かっこいい!!」と思うこと請け合い。

このような思いになったのは最近だ。大学生の時までは、ロジカルが全てだと思っていたので、運とか縁とかコネとか、訳のわからない物は悪だと決めつけていた。友達のことは大事にしていたと思うけれど。コネも全てが悪いわけではない。コネのおかげで当事者同士の信頼関係の構築がSpeedyになるであろうし、就職の採用側にとっては最初の篩いとしてコストを抑えられる。そこには当然、信頼する人を紹介するという紹介する側にも責任とリスク(紹介した人が紹介先であまりよい働きをせず、紹介元の自分のReputationが下がる、等)が伴うことが前提だ。コネだけで採用を決める必要はなくて、その後適切な面接をすればよいのであろう。逆にコネだけで採用される(してしまう)場合は結局すぐ辞めてしまったり、折り合いが悪い状況が続いたりという悪い話しか聞かない。

日本人はコネを使うのがあまりうまくないと思う。後述するが、留学時に私の周りにいた人達はネットワーキングがうまかった。一方で、日本ではそういう欧米のネットワーク(≒コネ)を使って旨くいっている表面だけを見て中身がないコネだけを頼りに利害関係が強い方に突っ走る場合が多いのではないか?私もまだまだコネの使い方は慣れていないので、しばらくは情報交換等のなるべく迷惑にならない形に止めたいと思っている。

MBA全般的に、またイギリス人(と言っても私の知っている範囲はEstablishmentだが)は、時間を共有した場での“たまたま”の出会いを大事にする。以前記載したImpulse Programmeで出会ったJamieはたまたまそのプログラムでチームが一緒になっただけなのに、私の話を真摯に聞いてくれたし、その後もちょくちょくやり取りがある。これは、彼がVenture業界にいるからかもしれない。別途記載したいが、私は今Corporate Venture Capital(CVC)でStartup関連の仕事をしている。この業界に入って、さらに出会い、タイミング、の重要さが分かる。例えばAIについてのStartupと協業したいと考える。理想的にはMECE(お互いに重複せず、全体に漏れがないに世界中のAI Startupを探索して、その中からベストな協業先を選ぶべきだ。しかし、技術の発展も早く、興隆の激しいStartup業界、調査している間に各々のStartupの状況は変わる。それならば、その時の、例えば何かのStartup Eventで出会ったそこそこ協業できそうな会社と始めた方がいい。もちろん、そこで出会ったStartupより協業可能性の高いStartupはどこかにいるかもしれないが、その会社に会えるかどうかも分からない。これが「出会い」が重要な所以だ。

「Docomo Ventures 2020」の画像検索結果
Docomo Ventures 2020のStartupブースの例

ちなみに、現職の日立製作所CVCのポジションは、採用ページにポジションが掲載されていて応募したわけではない。ポジションがないかどうか含めて「お問い合わせフォーム」から直接メールした結果だ。普通「お問い合わせフォーム」から採用が始まるケースはない。運がよかった、と言えなくもない。が、直接メールをしたのは何も現職だけではなく、他にも直メールをしたり、別の手を打ったりした結果である。他にも以前記載したJapan Trek企画時にはスタジオジブリの星野会長にお会いすることができたが、これも直接メールした結果だし、2009年頃に前職のIBM内でSKE48の講演をしたく会話したのも直接SKE48の事務所へお問い合わせフォームから直接連絡した結果だ。Cambridge MBAの先輩でアジア人で唯一のヨーロッパのサッカー放映権ビジネスを手掛けている岡部恭英さんのInterviewでもCambridge時代に「約100人のサッカー関係者と会い、最終的にはエバートン(イギリス)とインテル、ユベントス(ともにイタリア)からインターンの承諾を取り付けた。」とある。つまり、運を味方につけるには数打つ事(努力?もしくは行動?)が大事なのではないか?「宝くじが当たる人はたくさん買っている」と言われる。

運命の女神に見捨てられないように行動しつつ、うまく活用できたらと思う。

投稿状況Reviewと今後の執筆

実は、そろそろMBAコース中の記載したいと思っていたネタは大半が完了している。後は、MBAコースの中で結果となる「就活」についてだ。これが1回で記載できる分量か分からないが。加えてもう1つネタがあるので、その2つで大枠本ブログの区切りとなる。とは言え、まだまだ記載することがあるので、それらについて簡単にここで述べたい。本ブログを始めるにあたり、「ブログを始めるにあたって(執筆内容について)」を記載した。その際には、

  1. ケンブリッジ大学 Judge Business School(MBAコース)における経験の記録
  2. ケンブリッジ大学やイギリスの社会、文化
  3. 英語勉強法一般
  4. MBA受験(私費)
  5. 妻の妊娠、出産、そして子供の成長

ということになっている。比較すると、現在の投稿状況は以下である。

こう見ると、生活が一番多いが、それは旅行関連が多いからだろう。MBAの事全然話してないな。。。とは言え、MBA CourseとSocial EventがMBA期間の肝なので、それを合わせれば22投稿となって全41投稿の半分以上を占めている。一方で元々「記載する予定」と書いていた、「英語勉強法一般」や「MBA受験」については全く投稿がない。が、実はMBA期間中に「これは英語/MBA受験関連も書くのは無理だ」と思い、一旦スコープから外したのだ。今回、MBAコースの内容がひと段落したことで、これらの話題の割合を増やそうと思う。MBAを狙っている皆様にはもちろん、英語スキルを「下の中」から「上の下」(私自身はそのくらいだと思っている)に上げる事を考えている皆様にも役に立てばと思っている。

男性の育児:魅惑の平日児童館

帰国して間もない秋、平日電車に乗っていたら、ベビーカーを引いたお母さん二人組(たぶん私より少し若い)がお話をしていた。完全に同意できる内容だった。それは「もう、ワンワンがいないと生きていけない~」「うん、ほんと、ほんとー」。話に加わりたいくらい同意できた。後述する。

育児ネタの書き込みが少ない。旅行ネタも表題ばかりは「0歳児の」とか記載しているが、後半のブログの中身に娘はあまり出てこない。それもそのはずで、一般男性よりは育児をしていると思うが、MBAと就活で忙しくなることもある。旅行の話も、これまで記載したようにヨーロッパのレストランには基本ベビーチェアがあるし、ホテルはどこもベビーベットを用意してくれる。レストランもホテルも飛行機も現地では大変な事もあるが、それは毎回同じなので繰り返し記載することもない。・・・ということで、内容が減ってしまったのだが、たまには育児にフォーカスして記載したい。

最も育児をしていた時期は、間違いなく、帰国から業務開始までの1.5か月間、特に後半の1ヶ月間だ。帰国ネタに記載の通り9月中旬に帰国した。そして11月1日から業務を開始した。この間最初の1ヶ月間は実家に住み、家を探して、後半半月は今の家で過ごした。9月中は就活もあったので、実際の育児は10月いっぱい。ここで育児にフォーカスした理由は、やっと帰国して、これまで大変だった妻に少しリラックスして欲しかったのと、新居の荷物整理のためだ。いい育児経験だったと思う。

まず印象的だったのが、児童館の大切さが分かった事。児童館というと小学生の時に少し行った記憶しかなく、世の中にとって意味のあるものかどうか分からなかった。しかし、正直、児童館と「ワンワン」がいなかったら生きていけない。。なぜなら、家に幼児といても基本的にすぐにグズる(つまり飽きる)。狭いし、いくらおもちゃがあってもたかが知れてる。大人と一緒で刺激を求めている。その点、児童館に行くと、広いスペースで遊べるし、おもちゃもいっぱいあるし、同年代の子もいて、よい刺激を受ける。杉並区(だけではないが)には子育てプラザというものがあり、乳幼児が主対象だ。主対象なだけで、幼稚園児~小学生も遊べる(逆に児童館でも乳幼児室はある)。1日を午前と午後にわけて、どちらかは児童館へ、どちらかは子育てプラザへ行っている。乳幼児がいると、やはり子育てプラザの方が楽しめる。新しいし。Partyをしたりする集まる場所としても使えるようで妻も妊娠中に知り合ったママさん達とお昼子連れPartyをしていた。イベント(歌イベントとか弦楽器演奏会とか)も定期的に実施していて、非常に助かる(区の施設なので基本タダ)。

成田西の子育てプラザ、実は去年(2019)出来たばかり

最初は抵抗感が少しあった。やはりヨーロッパと比べて男性の育児に対する認識はまだまだ甘い(と思っている)。Cambridgeでは土日も平日も変わらず、図書館や公園に子供と男性が一緒にいるのをよく見かけた。その点、平日に子育てプラザ(児童館)に行くのは少し勇気が必要だった。「あの男の人なんなのかしら?」とか思われたり・・・いや、実はそんな思っているほど他人が自分の事を気にしていたりはしないのだけれど。実際、一回行ったら何のことはない、保育士さんも優しいし、お母さん達も子供達もそれぞれ遊んでいて、特にお母さん派閥があるような感じもない。土日はお父さんもたくさんいる。平日は大人の男性は私一人の事が多くて、男子校⇒大学機械工学科だった私にとっては初めての女性がたくさんいる環境であった。これは初めてのハーレム状態!!ウキウキして児童館通いをしたものだ。

とは言え、10月末までの期限付き平日児童館なので、特にママ友?パパ友?が出来たりはしなかったけれど。そういう意味では、お母さん達もみんな友達同士というわけではなく、子供と二人で遊んでいる方がほとんど。乳幼児を抱えているとコミュニティーを作ったり参加するのが幼稚園や小学校より難しく、育児は孤独、と言われるのだろうか?そういう意味ではCambridgeでは本当に妻にお世話になった。だからこそ、少子化対策もあり、行政も色々力を入れているのだろう。一人の時は分からない。とは言え、妻は平日児童館に行くと「よく会うお母さん(達)」の話をする。やはり私が一か月通ったくらいでは分からないコミュニティーもあるのであろう。

ちなみに今週ちょうど新型コロナウィルスのせいで、公立学校系の休校が始まっている。児童館は通常運営のようだ。実際、共働きの方々で、特に小学校低学年生がいらっしゃる場合は学校も休みで児童館も休みだときついと思う。一方で、小学生は児童館に行くのも自粛で、基本自宅待機のようだ。よって、児童館も特に混んでいるわけではない。あとは紙オムツの買い占めが始まって、もしなくなったら恐怖。。。ちなみにうちは、トイレットペーパーもティッシュも買いに行っていない。少し抑えめに使っている程度。

前述のように1日を午前と午後に分けて、ということは、つまり、育児に自由時間はほぼ皆無ということだ。仕事中なら、移動時間や合間の時間、お昼時間は自分の時間にできると思う。しかし、育児では幼児から目を離すことはできないし、逆に離れるとすぐ泣く。よって、彼女彼らが寝ている時しか時間がない。そしてその時間内に掃除洗濯料理をしなければならないのだ(この期間は私はしてなくて、妻がしていた、もしくは現状しているが)。その時間も予定通り行かないことが多い。外の車の音や、宅配便の呼び鈴、つい大きな音を出してしまったり、等々ですぐ起きる。なんとも育児がブラック企業と言われる所以ですな。

さて、そんなブラック企業の救世主が「いないいないばあっ!」のワンワンだ。これはお母さんと一緒の幼児用の番組でEテレで毎日放送している。我々が幼児の時にはなかったと思うが、すでに長年続いているようだ。(ちなみに妹の旦那が私の10歳下なのだが、ワンワンを子供の時に見たと言っていた。衝撃。)実はCambridgeにいる時も動画で見ていて、すでに大分お世話になっていた。ワンワンを見ている間は子供が静かなので、家事ができる(by 妻)。一方でTV中毒は今も昔も親の悩み。TVばかり見せていたら発育も悪くなるし、子供と親のコミュニケーションの頻度も下がる。見せすぎは良くないのが難しいところ。いや~でも本当にワンワンいなかったら生きていけないです。。。

メインキャラのワンワン。好きなネタは踊りまくって疲れながらも「ワンワン5歳です」。中の人は絶対おっさん。

幼児育児の大変さが分かってよかったと思う。時短勤務のお母さんたちが「仕事の方が楽」というのもよくわかる。もちろん今も妻には迷惑をかけているが、土日はほぼほぼ私が育児をしている(・・・と思っているが。。)。

幼児虐待の悲しい事件は度々発生しているが、本当に悲しい思いになる。子供は当然可哀そう、可哀そう過ぎるが、この事件は若いカップルに多いと思う。私はいくらか歳を重ねてから子供を授かったので我慢できる部分もあるが、若いうちに子供が出来たらもっと大変だろうと思う。日本は性教育の指導が甘いという指摘がある。育児に対する国としてのMaturityもこれまで記載してきたように比較的低いと思う。一方で、以前記載したが、育児のポリシーは欧米はどちらかというと「ほっぽり系(泣かせっぱなしとか)」、日本は「常に100%子供の世話」だ。どちらが良いとは言えない。それによって、ヨーロッパ系の大人になり、日本人の大人になるのだろう。私は日本のやり方の方が好きだが、こっちの方が大変だと思う。そこにも男女の育児と仕事に対する平等化の難しさがあるのかもしれない。

1歳児の8泊9日クルーズ旅行;アドリア海クルーズ

地中海の女王をご存じだろうか?言わずと知れた(?)ヴェネチア共和国の事である。なんとも男のロマンが詰まった国だと思う。大航海時代に、海賊、クルセイダー(十字軍)、ドーシェ(元首)、サン・マルコ、多様な物産と人が集まる交易国家等々。そんなロマンを感じたければ是非、塩野七生の「海の都の物語ーヴェネチア共和国の千年」をご一読いただきたい。この本を読んでから、常々訪れたいと思っていたヴェネチア、唯一感じる事が出来たのは初バイトの時にOpen前から行っている、ディズニー・シーだ。テーマパークであれほど素晴らしいのだから、本物はすごいだろうと期待していた。案の定素晴らしかった!!(イギリスと違い)ご飯もおいしいし、細い道と水路、イケてる橋、急に現れる広場、周りに見える小島々。空から見るとまさに海の中の都市。昔の人はこの国(都市)をどのような思いで見ていたのだろう。ロマンですな。

「ヴェネチア共和国」の画像検索結果
かつて、地中海の最強国家と言われていた
飛行機からのヴェネチアの写真、天気悪いが、これを見たときは感動した。ちょうど上の絵の左の方からこの写真に写っている道路が伸びてる

そんなかつての大交易国家からのクルーズ旅行がケンブリッジMBA最後のイベントだった。

クルーズ旅行と言うと、大豪華客船でセレブリティが夜な夜なパーティとカジノに明け暮れる超上流階級の旅行だと、日本だと思われがちであるが、そんなことはない。そこはさすがヨーロッパ、様々なランクのクルーズ旅行がある。私たちが利用したのは主に、ファミリー層向けと言われている、MSCクルーズとコスタだ。コスタはハネームーン時に利用し、MSCは今回利用した。基本的な船の構造は一緒。レストランがあり、プールがあり、バー、ショップ、カジノ、ミュージカルホールがある。値段もほぼ同じだ。違いは、コスタの方が少し豪華な船内で、MSCの方が料理がおいしい。コスタには複数のレストラン(追加料金要)があるが、MSCはメインのレストランのみだ。しかし、コスタは毎日の食事が楽しみではなかったが、MSCはそれなりにおいしく、楽しみにレストランに行けた。子供向けの料理もあり、味見したが結構おいしかった。娘は買ってきた離乳食と柔らかいパンしか食べなかったけど。そろそろ食の好き嫌いが出てきて、困る時期で離乳食を拒否したりする。それでもパンはずっと食べ続けるので、とりあえずパンを常備していれば安心ではある。あと、なぜかブロッコリーが好きで、レストランでも出てくるのでそれを食べさせた。妻曰く、何かのサイト情報で、「ブロッコリーを食べていればとりあえず大丈夫」と記載があったようで、まぁならいいか、と。。

”Why?”をクルーズのレストランで優雅に(?)している食事中の娘、髪がないけど、女の子です。半年たった現在も髪増えたのに、男の子に間違われます。
こちらは2014年に乗ったコスタの船の写真、こう見ると大きい。

MSCはサービスがひどかった。部屋についたらカードキーが利かず、ポーターやサービスデスクに何回もお願いしに行って2日目にようやくカードキーを取り換えてくれた(その間、鍵自体が壊れているから直す等々でカードキーを交換してくれなかった)。また、船内ところどころエレベーターのボタンがはがれていたり、残念なところがある。そういうのを気にする場合はコスタの方がよいだろう。豪華感はコスタの方が高い。部屋は少し高くても窓側をお勧めする。船内の窓がない部屋だと圧迫感がすごいと想像される。今回はダブルベットに親子3人で川の字で寝た。

コスタで寄港した港町(ちょっと当時と違うが)、ラ・スペツィアからはフィレンツェに行ける。記載がないが、ベネツィアを含む4大海洋都市国家のジェノバにも寄港して、そこが妻と私の一番のお気に入りだった。

ハネムーンの時はドバイ経由の飛行機でバルセロナ発クルーズだった。12月31日に日本帰国着の予定だったのだが、なんと帰国時のドバイのトランジットが飛行機遅れのせいで失敗して、エミレーツ航空の人に「Please come 24 hours later」と言われ、24 hours!!!?と思った。が、せっかくなので、ホテルを取りドバイ観光をした。保険で、ホテル代等々も落ちた。しかし、年末年始ということで、ドバイは激混みで交通機関もあまり発達していなく(高いビルはいっぱいあるが、当時はそれに公共交通が追い付いていないイメージだった)飛行機に遅れるのでは?という心配性私のせいもあり、人生で初めて妻と喧嘩した。ハネムーンあるあるだが、これが今のところ唯一の喧嘩(なぜなら家庭では私が下だから。。)。

さてMSNの旅程は以下の通り。全て記載すると長くなるので今回はかいつまんで記載したい。

今回の旅程はアルバニアの代わりにサントリーニ島の上のミコノス島寄港

まずヴェネチアだが、ホテルが高い。今回もBooking.comで探した。Hotel universo e nordだ。これまでの平均を考えても少し高めの値段で泊ったのだが、建物は継ぎ足し感満載の迷路のような廊下で部屋も狭くて小汚い。しかし、ヴェネチア唯一の鉄道駅からは近く、幼児がいるとそういう部分はケチれないので仕方がない。到着日はMBA同級生のFrancesco(イタリア人、ヴェネチアの北、オーストリア近くが実家)に教えてもらったOsteria Bea Vitaへ。この界隈はあまり観光客も来ないエリアのようだが、水路わきにレストランが並んでおり、どれもいい雰囲気でおいしそう。そして、ちゃんとベビーチェアがある。本当、ヨーロッパにはどこにでもありますな、ベビーチェア。次の日は午後にクルーズ搭乗なので、サンマルコ広場等々の観光地を回った。とにかく人が多かった、スリに常に注意しながら街並みに感動してクルーズへ。微妙に港に行きにくく、タクシーを使ったのだが、実はモノレールがあることを後で知った。

左から二番目の日本ハチマキをしているのがFrancesco。MBA内で企画した酒Partyの一幕。
真ん中のハートマークがホテルの場所でその左となりが唯一の電車駅。右上の緑マークが夕食場所。左下がクルーズ船の寄港地だ。実は真ん中下の緑マークが複数あるところからモノレールが出ているのだが、後で知った。

ヴェネチア出港はロマン溢れる。ヴェネチアの大動脈と言われるカナル・グランデはさすがに通れないが、左手にヴェネチア本島、右手に群島を見ながらの出港だ。次の寄港地はクロアチアのSplit。初のクロアチア入国だ。GCPでクロアチアに行った日本人から、ここも料理がおいしいと聞いていた。ただ、Splitやドブロブニクはもはや観光地のクルーズ客狙いなので、基本高い。が、Splitでは頑張って歩いて探して少し離れたところのレストランŠperun trgで食事。値段もそこそこでおいしかった。

ヴェネチア出港時、娘は爆睡。

次の寄港地は今回のハイライトでもある、青と白の建物が有名なサントリーニ島だ!ここに行くまでは距離があるので、船内で過ごす日が1日ある。この間は、プールに行ったり、ベビースペースに行ったり、昼からビールを飲んで、ソーセージを食べたりしている。ちなみに、船内フードは基本料金に含まれていて、飲み物は個別に頼むか、飲み放題プランにするかだ。ハネムーン時は飲み放題プランにしたが、今回は娘がいて、妻も授乳中だし、それほど飲むタイミングもないだろうということで個別にした。それでも、寄港地では毎昼ビールを飲ませていただきましたが。

今回の船内写真がなかった。これは2014年のコスタの船内写真。クリスマスの日の一幕だ。

さて、サントリニー島。クルーズ旅行の利点はなんといっても、寝ている間に移動してくれ、大きな荷物を持ち歩かなくてよいことだ。一方で、欠点は船の出港時間は決まっているので、あまり観光の時間がないということだ。寄港地毎にExcursionと呼ばれるオプショナルツアーが用意されている。クルーズからサントリーニ島の港へは小舟のピストン輸送ということで、並ばないといけないのだが、ツアー(Excursion)だと優先的に小舟に乗ることができる。よって、よい旅程があればそれを申し込んだのだが、サントリニー島では今回行きたいメインのOia(イア)のみのExcursionがなく、個人で行くことにした。その場合、小舟の整理券を取るために事前に並んだ。無事、一番早い船の整理券を得ることができた。小舟の寄港地からはケーブルカーで頂上の町Pyrgosへ行き、そこからバスでOiaだ。

右下が船がとまる町、そこからバスで40分ほどで左上のOiaが白と青の家々で有名な場所だ

Oiaは期待通り美しい町だった。一通り回って、レストランへ行った。ツアーだとレストランに寄る時間があるものがなく、是非この美しい街並みと海岸を背景にお昼を食べたかったので、これがハイライトのハイライトだ。この時もいくつかレストランを回り決めた。ギリギリ最後の一つに残っていた窓辺の席に座れ、本当に優雅で最高のひと時を過ごし、気持ちも高揚した!!しかし、この後まさか、あんなことが。。。

いい場所だったが、GoogleMap上だとどれか分からなかった。行けば分かると思うけど。。
景色と相まって、絶品

油断した。。ビールも飲んで大分気分が良い中、財布を適当にバックに入れてしまったのだ。。帰りのケーブルカーに乗るときにお金を払うために財布を探したところ、なくなっていた。スラれたのか落としたのか定かではないが、これまでMBA期間中何回もスリが多いところに行ったが、何も問題がなかった。それが、最後の最後でこの失態。妻も私も気持ちが落ち込んでしまった。幸い、妻のカードは別の財布に入れていたので、それで今後の支払いを実施した。本当に、海外旅行は常に気持ちをしっかり持っていないといけないと、改めて、思った。この後、夜にミコノス島に寄港したのだが、外に出る元気もなく、戒めも含めてこの日は船内で待機した。

気持ちをもどし、次の寄港地ドブロブニクでは楽しんだ。魔女の宅急便の町と言われているドブロブニク。この城塞都市はかっこよかった。この時ブランチ(というかワインを飲んだだけだが)をドブロブニクを望む山にあったRestaurant Panoramaで、お昼を城壁内で食べた。しかし昼食前、娘が私の抱っこ紐を嫌がり、妻が抱っこ紐をしていたのだが、もうこの歳の幼児の重さは女性にはつらかったようで、お昼はすぐに見つかる大通り沿いで食べてしまった。正直味はいまいち、お金は高い。この後、元気になって少し路地裏を散歩した。明らかに、そこの方が雰囲気もよくよさげなレストランがたくさんあった。やはり、レストランは路地裏に限る。ドブロブニクは残念ながらもう観光地化しており、非常に多くの人、少し趣きが足りなかった。以前ハネムーンで行った、フィレンツェも人でごった返しており、同じ感じを受けた。それでもドブロブニクは行きたい場所だったので、観光することができてよかった。

ドブロブニクの城壁を見下ろすレストラン、予約なしで入れた
間違いなくここら辺の路地裏お店がいい

一方で、最後の寄港地イタリア・アンコーナは期待していなかった事もあり、非常に我々の点数が高かった。まず、町がガヤガヤしていなくて穏やかで、海も穏やか。路地も小奇麗ながらも昔の街並みが残っていてカワイイ。丘にある教会や壁も遠くから見るとカッコよく、往時はサラセンの海賊の接近をここから注視していたのかと思わせる(本当にそうかは知らない)。食事も街中の歩道のテラスで。おいしかった。

最後にヴェネチアに戻り、ヴェネチアングラスで有名なムラーノ島へ行こうと思っていた。が、なんと、スーツケースが出てこない。。クルーズでは下船の前日にスーツケースを部屋の外に出しておくOperationで、それを下船後に受け取る。しかし、既定の順番になっても出てこない。。我々以外にも数名同じ状況の人たちが。。。大分時間が経って、スーツケースが出てきた。理由が分かった。順番を示すシールを縦に貼るべきものを横に貼ってしまっていたからだ。まぁ、貼り方が悪かったのだが、それくらい見て欲しい。。おかげでムラーノ島に行く時間はなく、と言いたいところだが、飛行機の時間を考えるとドダイ無理だったかもしれない。ムラーノ島に行く船はスリが多発地帯らしいので、この時は行かない方がよかったのかもしれない。ムラーノ島は諦めてゆっくり水路沿いで昼を食べ(この時も路地狙い)英国に帰国した。

このMBA生活で、私は10か国にVisitし、娘は1歳にして8か国を制覇した。ヨーロッパMBAの真骨頂?ですな。ありがたいことです。そして、改めて本当にスリには注意し、不要なカードや現金は別に保管しつつ、持つ場合も分散させるべきだと実感した。

リスク回避策必須!イギリスの公共交通機関;Cambridge生活Hints&Tips後編

外国に住む、とやはり日本が恋しくなる時もあるし、日本の方が何かと安心だなと思う。しかし、不思議なもので、ヨーロッパ旅行から帰ってくると、「Cambridgeに帰ってきたな」と安心するようになっていた。まるで、日本にいて(阿佐ヶ谷に住んでたのだが)中央線で中野辺りに着くと「あぁ、帰ってきたな」と感じるのと同じ思いだった。

自分にとって、そんな思いになったCambridge、前回は生活の基本について記載したが、今回は悪評高い公共交通機関。ちなみにもう一つ悪評が高いのはイギリスの医療制度NHS(Naitonal Health Service)だ。イギリスの選挙の時にも毎回何かしら話題に上がる。いきなり脱線するが、このNHS、私としてはそれほど悪くはなかった。最も大きい悪評は、「予約しても待ち時間が長い!」だ。実際ロンドン在住の同級生(中国人)が子供を産んだ後よく病院に行くらしいのだが、待ち時間の長さに辟易していた。しかし、そこは田舎のCambridge、基本予約しないと受け付けてくれないが、待たされたことはない。その代わり、時間通りに行かないと別の日に回される。VISA取得時に比較的高額な保険料を払うのだが、医療は全部基本タダだし、薬も安かった。

関連画像
イギリス人が考える重要な政治的課題、いつもNHSは上位。上記は2015年。

さて、公共交通機関の話に戻ると、Cambrige内の公共交通機関はバスが基本。が、日曜日はお休み・・・なんで?やはりそこらへんはキリスト教の流れなのか。おかげで日曜日に家族にどこか行くためには歩きかタクシー。Uberだと中心まで8£くらい。バス自体もCambridge中心まで一人2.5£で少し高め。当然のように時間通りには来ないため、平日の通学は自転車か歩きにした。最終的には、自転車の小回りが利かない感じが嫌で徒歩通学にした。毎日40分の往復だが、運動がてら悪くない。タクシーはUberかPantherというLocalタクシー。どちらもアプリで呼べるので、どっちでも良いと思うが、他国でも使えるのでUberを使っていた(実はそれぞれの国がUberよりも安いRide-hailingアプリがあるパリならKapten、イスラエルならGett等)。

「cambridge bus map」の画像検索結果
Bus Map、実は他のバスもあるので、City Centreまで行く最適解を理解するまで時間かかった。。。

とはいえ自転車は必要。家は東側だが、技術系の研究所の多いWest Cambridgeに行くには自転車がいるし、一人でロンドンとかに行く場合も自転車で駅に行く。ちなみにWest CambridgeにはChurchill Collegeもあり、やはり理系のノーベル賞受賞者が多く所属している。Cambridgeは犯罪も少なく、東京より安全だと言っていいと思う(ロンドンはテロもあるし、それでなくても危険だけど)。唯一あるのが自転車盗難。ただ、それも定期的にCambridge外から窃盗団みたいなのが夜中にやってきて根こそぎ盗んでいくもので、Cambridge内に盗難者が多いということではない。そして、私は8月に新品で110£ほどで購入した自転車を8月に盗まれた。Judgeの敷地内にチェーンで止めていたのだが、その敷地は誰でも入れるしチェーンは壊されやすいと言われていたのに変えなかった。自転車はCollege内等のClosedな敷地内にとめ、鍵もU字型のしっかしりたものをお勧めする。学生は中古を購入するのだが、私は8月に来たので、最初は中古購入の機会がなかった。ただ、盗難後はJudgeのAlumniによる中古購入会にて70£で購入。ボロボロで、6か月後に壊れて、また新品を購入した。Cambridgeの自転車生活は無駄にコストをかけてしまった気がする。

自転車といえば、Cambridgeでは有名なようで、テイラー・スウィフトも御用達のCambridge Satchelは自転車がロゴマークだ。当然私は知らなかったのだが、妻が知っていて、バックを購入していた。私も就職後用にノートカバーを購入した。リーズナブルで、なんと学割も効くので是非お土産や自分用に購入したらいかがだろうか?

購入したCambridge Satchelのノートカバー、自転車のロゴマーク、中々良いと思う

日本への帰国や旅行時には当然空港を活用するが、イギリスの主要空港はいくつかあり、私が使用した空港をあげると、ヒースロー空港、スタンステッド空港、そしてルートン空港だ。日本人になじみがあるのはヒースロー空港だろう。日本への直行便は(調べてないが)基本的にこの空港発着。しかし、国際空港あるあるだが、特にCambridgeからはなんとも行きにくい場所にある。電車を使うと、ヒースローからパディントン駅まで15分、そこからKingsCross駅(ハリーポッターの9と3/4ホームがある駅)まで20分ほど、KingsCrossからCambridgeまで1時間だ。実際は待ち時間や乗り換えで2時間以上はかかり、Cambridge駅から自宅まではUberとなる。National Expressというバスもあり、こちらは直行なので楽だが時間は3時間近くかかる。どちらをお勧めするかは悩ましい。一方でスタンステッド空港はCambridge駅から直通で30分いかないくらいだ。よって、ヨーロッパ旅行をするときはもっぱらスタンステッド空港発着の便を狙う。ルートンは電車だと行きにくいがヒースローよりは近くバスで1時間くらいなので、スタンステッドがないときはこちらを使った。同級生と旅行に行くときはハイヤーを頼んでShareすればルートンまでも行きやすい。

最後に、帰国時の注意点だ。まず、バスや電車は故障や大幅に遅れたり急にCancelされたりする。それも日本とは比較にならないほど頻繁に。1年住んでいたら10回くらいはそういうことに遭遇すると思っていた方がいい。実際、Japan Trekのために日本へ単独で一時帰国したさいには、乗る予定だったCambridge駅からKingsCross駅までの電車がCancelされて次の電車に乗ったのだが、危うく飛行機に乗り遅れるところだった。それもあってか、航空券には「離陸の3時間前には空港に着くように」と記載がある。日本だと2時間前だと思うが。が、それでも危険。私の本帰国時、9月中旬だが、ヒースロー空港からの直通を家族3人分予約していた。今回は荷物も多く幼児もいるのでCambridgeからのNational Expressを予約した。上記の危険性は知っていたので、4時間前に着くバスを予約し、子供はKids Spaceで遊ばせながらのんびり飛行機を待つ予定だった。それが、3時間の遅延により、ギリギリのチェックインとなってしまった。経緯を書くと、まずCambridgeのBus Stationには時間通りバスが到着した。これで遂に帰国だ、と妻共々少し感慨にふけっていた。が、そんな思いを壊す事が。。中継地点のStansted空港に着く前でバスの故障が告げられ、バスの乗り換えが必要と言われた。そのバスの乗り換えで90分ほどStansted空港で立ち往生。当然私や他の乗客も飛行機の時間を言って「間に合うのか?」と詰め寄るがスタッフは「たぶん大丈夫だろう」というだけ。私達より1時間早い便の人たちもいて、私でさえ「本当に大丈夫か?」と思った。そして、バスが来たのはいいが、今度は渋滞でヒースロー空港にいつ着くかも分からない。結果、我々は離陸の1時間前くらいにチェックインカウンターに着いたのだが、何人かはきっと飛行機に乗れなかったと思う。この帰国は結構恐怖だった。妻と二人ならまだしも(実際ハネムーン時に、飛行機が遅れて乗り換えができず、ドバイで24時間過ごしたことがある)、幼児を連れての飛行機乗り遅れによる空港Stayは恐怖でしかなかった。(ちなみにこの前の週にアドリア海クルーズに行ったのだが、そこでうつったのか、私は下痢と嘔吐で帰国準備できず。そして、さらにそれがうつって、妻が飛行機で下痢嘔吐。娘はフライト中ずっと大泣き。さらに帰国した夜、今度は娘が下痢と嘔吐。。大変だったが、本当に帰国できてよかった。)

以上、やはりMBAというだけはなく、1年海外に住むと色々と学べる。違う生活という物が世の中にあるということが肌感覚で分かる。そして、海外滞在/旅行スキルは格段に上がったと思う。だとしても、調子にのらず(実際油断したら上記のアドリア海クルーズで、サントリーニ島で財布を盗まれた。。。)海外渡航をすべきだと思う。

食、家、イベント;Cambridge生活 Hints&Tips前編

最近Economist誌に出ていた世界の生活費が高いランキングを見ると、1位はパリ(ですよね、でもスイスの方が安い)で、なんと大阪が5位!!一方でロンドンは22位だ。確かに、イギリスの生活費は、住むという観点では安いと思う。 Cambridge生活を始めたばかりの時に、Cambridge生活の基本なるものを投稿したが、その後帰国して、「あまりにも基本過ぎるな・・・」と思い(海外生活初心者なので仕方ないが)、1年生活した結果のHints&Tipsを記載したい。

Economist、The world’s most expensive cities より

まずは「食」から。イギリスは食費が高い!!と言われるが、それは観光、つまり外食の話だと気づいた。スーパーの材料は安い。肉、野菜、アルコール。どれも安い。これはイギリス(というかアメリカやヨーロッパ)を電車で旅すると分かるが、基本平野(逆に西欧人が日本の新幹線に乗るとどこまでも町でびっくりするようだ)。よって、日本と異なり農地が広く取れるからだろう。高い(もしくは売っていない)のは、やはり魚介類。サーモンは売っているが安くない。唯一安くて味が良いのが「鯖」、さすがに毎日食べると飽きるので週一にしていた。お肉はなぜか牛肉があまり味がよくなく、豚肉がおいしかった。家に一番近いスーパー(というかコンビニの大きさだが)はCo-opで、一通り揃っている。ただ、肉は他の大手スーパーのSainsbery’sの方がおいしい。なので、大学の帰りにわざわざSainsbery’sに寄って豚肉を購入していた。日本の概念のコンビニはなく、スーパー各社が小さめの店舗を展開しているイメージで、品ぞろえは特有ではない。日本のコンビニがすごい!と言われる所以だ。24時間営業がどうかという議論がるように、Cambridgeのスーパーやコンビニライクな店は11時には閉まる。

Sainsbury’sの場所、Cambridgeの中心と言ってよい場所にある。自宅からは遠いけど。

料理については、どの家もガスがなくIHヒーターのため火力が弱い。その代わり(?)、どの家にもオーブンがある。なるほど、英国人は基本オーブンを使うのだな。ということで、オーブン料理を日本のデリッシュキッチンとかで調べるのだが、あまりレパートリーがなく、妻が苦労していた。オーブン料理は材料を切って、入れるだけなので楽。さすがイギリス。。。

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見た目はいいが、実は切って置くだけだったりす。逆に時短レシピと言える。

家については、やはり日本と違い色々と大変。まず探すのが大変だった。Cambridge学生は基本的に所属College内に住むことになるが、家族連れの家をCollege敷地内に持っているCollegeは少ない。唯一Churchill Collegeは敷地が広大で家族用住居を敷地内に多数有していることで有名。ただし、Cambridge中心部からは遠目(と言っても歩いて20分くらいだが・・・)。そのため、Collegeが借り上げている住居を借りるか、自身で探すことになる。私が所属したDowning Collegeも敷地内に家族用住居はなく借り上げもなかったため、自身で探した。自身で探す場合はCambridge大学全体の住居借り上げサービスを使うか、民間の業者を使うかになる。一般的な話だが大学のサービスは手続きが楽だが、選択肢が少ない。民間は選択肢が多いが手続きがめんどくさ(そう)く、手数料等色々かかる(と思う)。民間もrightmoveというサイトから探したり、直接不動産屋に赴いたりしたが、よい家が見つからず、結局大学のサービスを使った。金額イメージはCambridge中心から歩いて15分くらいで1500£/月くらいで、私の家は歩いて40分くらいで1000£/月だった。月13~15万円くらいか。

Lent Termの最後の授業後の飲み会も広いChurchill CollegeのCoat(庭?)で実施された

ただ、私の場合12月に妻子が渡英するということで、それに合わせて家をさがしたのだが、当然学生の入れ替えが激しいのは8月~9月。あまりよい物件が見つからず、遠いところになってしまった。私はよいが、妻子には不便。というのも、後述するが基本交通機関のバスが使いにくいからだ。一方で間取りは十分、2LDK。0歳児との3人暮らしだ。ちなみに家具は基本的についている。エレベーターなしの3階で、ベビーカーやスーツケースの上げ下ろしに苦難するのが難点。また、英国特有かどうか不明だが、基本マンションの洗濯機は共用で家の外にある。しかも、おそらく100世帯はいると思われるのに、洗濯機と乾燥機が各3台。少なすぎる。特に土日はいつも混んでいて妻が困っていた。そして、ここはコインが必要!!他の支払いはほとんど銀行のDebitカードなのに、洗濯機のために現金を使っていた。ちなみに、普段の支払い用にMonzoやRevolut等のFintech銀行を契約していた同級生(日本人も含めて)もいたので、それらを使うのもいいかもしれない。電気水道ガスであるが、上述のようにガスは使わない、ヒーターも電気。水は家賃に含まれていた。WiFiはマンションで飛んでいるのもあるが、高いため、別契約をした。水回りがいまいち汚く、特に備え付けのバスタブは入る気にならず、シャワー。0歳児用の風呂桶はAmazonで購入。まぁ1年も住まないので我慢ということにした。とはいえ全体的には悪くない。人生初の田舎くらしと思えばそれもまたよい経験。

右上の赤ポチが自宅、南にCambridgeの中心街がある。右下が駅。

子連れの平日や土日は教会や図書館のプログラムに行っていた。一方でMBA生としての私はイベントをFacebookで探して行くことが多かった。日本ではあまり馴染みがない(or 私がおっさんだから知らないだけ)が、自身の居住区をFacebookに登録しておく(もしくはネットワーク的にみているのか)と、周りで開催されるイベントがしょっちゅう通知される。そして、それぞれ中々面白い。Night Museumや公園でのBeer Garden、College主催の晩さん会などだ。日本だとあまり通知がこないので、やはりイギリスの方がFacebookを使ってイベント告知をするのが一般的なのだろう。Museumの話をしたが、イギリスのMuseumは基本タダ。ロンドンの大英博物館もナショナル・ギャラリーもタダだ。実はCambridgeにもMuseumがいくつかあり、特にFitzwilliam Museumは見ごたえがあった。Judgeの近くにあるので、勉強に疲れたらフラッと入ってリフレッシュするのにも使えた。月曜日休館には注意。

「Fitzwilliam Museum」の画像検索結果
Fitzwilliam Museumの外観
Fitzwilliam Museumから見たJudge Business School。右奥のカラフルな建物。つくづくいいところに学校があるなと思う。

お勧めしたいのはなんと言ってもPunting。Cam川を小さめの船で決まったルートを往復する。College群が見れて非常に良い。ビールを飲んだり、ワインと軽食を持ち込んでも良い。同級生も暇なときは「Punting行こう!」となってよく乗っていた。

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自分で漕げる。結構自分で漕いでいる人は多い。何人か川に落ちてたけど(笑

また土日は地元のPubが人気だった。Milton ArmsというPubで、Hungry Horseというイギリスのチェーン店。 このMilton Arms、料理も大したことないし完全にチェーン店なのだが、なぜか愛着が沸きよく家族でもお邪魔した。基本ビールのカールスバーグ、1パイント(約560ml)が1.75£で破格のお値段。もちろん、Cambridgeの中心ではこの値段はなく、私の家が郊外だからなのだろう。オジサン達は昼から飲んでいるし、普通に食事もできるので、家族連れも多い。

上の赤丸が自宅、下の赤丸がMilton Arms。ちなみにもっと下にCo-op(Co-operative)がある

今回は基本生活について紹介した。1年だったが、結構満喫したなと思う。次回は交通機関について記載したい。