自分にとって、そんな思いになったCambridge、前回は生活の基本について記載したが、今回は悪評高い公共交通機関。ちなみにもう一つ悪評が高いのはイギリスの医療制度NHS(Naitonal Health Service)だ。イギリスの選挙の時にも毎回何かしら話題に上がる。いきなり脱線するが、このNHS、私としてはそれほど悪くはなかった。最も大きい悪評は、「予約しても待ち時間が長い!」だ。実際ロンドン在住の同級生(中国人)が子供を産んだ後よく病院に行くらしいのだが、待ち時間の長さに辟易していた。しかし、そこは田舎のCambridge、基本予約しないと受け付けてくれないが、待たされたことはない。その代わり、時間通りに行かないと別の日に回される。VISA取得時に比較的高額な保険料を払うのだが、医療は全部基本タダだし、薬も安かった。
ご存じない方もいると思うが、スティーブン・ホーキング博士は難病を抱えながら76年を生き抜き、その間に宇宙物理学で類まれなる業績を示し、子供たちに夢を与えた方だ。初めて博士を見られた方は、失礼ながら、機械に囲まれ車椅子で現れる出で立ちに驚かれると思うが、そのような難病を抱えながらも素晴らしい業績を残された方だ。その生涯を知りたい方は「博士と彼女のセオリー」(英語版タイトルは「The Theory of Everything」、なんとお似合いのタイトルか!)をご覧になるとよいと思う。主演はハリーポッターシリーズのファンタスティックビーストでお馴染みの、エディ・レッドメイン(最初ベネディクト・カンバーバッチと記載していた、恥ずかしい。。)だ。
彼はCambridge大学のGonville and Caius College(ノーベル賞受賞者多数輩出のCollege)で、葬儀では「ケンブリッジの心臓部であり、世界で最も認知度の高い通りのひとつであるキングズパレードに沿って、ぎっしりと並ぶ群衆が目に入った。これほど大勢の人たちが、これほどしんとしているのを私は見たことがない。」と「ビッククエスチョン」にホーキング博士の娘さんの記載があった。MBA生でも一人このCollege所属の女性がいて、日本人だったので、Formal Fallに連れて行ってもらった。結構レアCollege(MBA生が少ないorいない)なので、雰囲気を堪能出来てよかった。
比較をする際には良い事例を先に紹介した方が、悪い事例の要因が分かりやすいと思うので、そうする。まずは私が良いと考えているRobert (Bob) WardropのNew Venture Finance(選択授業)とFintech Strategy(選択授業)だ。私はIBMに勤めており、(Startupと直接関わりがないとは言え)Fintechについてはある程度知識があったので、Fintechの授業を受ける必要性は低かったのだが、彼が講師ということで決めた。彼はシニアに属する。彼の授業で好感が持てる最たるものは、その自信を持ったしゃべり方だった。一見すると高圧的にも見えるのだが、生徒の質問やコメントに対してしっかりと反応し、Discussionのハンドリングもうまい。例えば、議論が白熱して生徒の挙手が後を絶たない時も、きっぱりと「君が最後ね」と言いながら授業を進める(最も「最後」と言いながら「もう一人だけ」という時もあるのだが。。。)。授業の資料や教える内容も深みがあるので理解が進む。深みとは、例えば、彼がDirectorを務めている Cambridge Centre of Alternative Finance (CCAF)にて研究されたデータを元に、昨今のVentureへの投資変化やFintechとTechfin(Technology会社が金融事業をやるパターン)の比較等について教授いただいた。